最新記事

シリア

サリンを使ったのはアサドか反体制派か

Syrian Rebels Used Sarin Gas

シリア内戦で猛毒ガスを使用したののはアサド政権ではなかった可能性が浮上

2013年5月7日(火)17時48分

 アサド政権と反体制派の攻防が続くシリア内戦で、政府軍が反政府軍に対して猛毒ガスのサリンを使用した疑いがある──。イギリスやフランス、イスラエル、アメリカは先月、相次いでそう警告した。

 だが、アサド政権の暴走だと決めつけるのは早計かもしれない。シリア問題に関する国連調査委員会のカルラ・デル・ポンテ調査官は5月5日、サリンを使用したのは反体制派だった可能性が高いことを、スイスのラジオ局のインタビューで明かした。「さらに調査を続け、検証・確認を重ねる必要があるが、現時点で得た情報によれば、サリンガスを使用したのは反体制派だ」

アサド政権の関与も否定できない

 反体制派への武器供与を検討している米政府は、デル・ポンテの発言について「非常に疑わしい」と反論し、アサド政権によるサリン使用の可能性を示唆。デル・ポンテも調査は始まったばかりで、今後アサド政権側のサリン使用を示す証拠が見つかる可能性もあるとも指摘している。調査委員会は6月に、国連人権委員会に報告書を提出する予定だ。

 サリンは1930年代にナチスによって開発された、強い殺傷能力をもつ神経ガス。無色無臭の液体で、吸い込んだり肌に触れれば、ごく微量でも死に至る恐れがある。イラクのフセイン政権は88年、イラク北部のクルド人地区ハラブジャをサリンなどの毒ガスで攻撃し、5000人を殺害した。日本でも94〜95年にオウム真理教によるサリンテロ事件が発生した。

 オバマ政権は、シリア政府による化学兵器の使用が確認されれば、軍事介入に踏み切る可能性もあると示唆してきた。サリンを使用したのは誰か。その答えによって、シリアの運命は大きく変わる。

From GlobalPost.com特約

ニュース速報

ワールド

焦点:北朝鮮、ICBM実戦化には新たな核実験必要か

ワールド

アングル:「トランプおろし」はあるか、大統領失職の

ワールド

焦点:トランプ氏の「口撃」、弾劾審議で孤立無援招く

ワールド

米国務長官が人種差別非難、「傷の修復必要」

MAGAZINE

特集:2050 日本の未来予想図

2017-8・15号(8/ 8発売)

国民の40%が65歳以上の高齢者になる2050年のニッポン。迫り来る「人口大減少」はこの国の姿をどう変える?

※次号8/29号は8/22(火)発売となります。

グローバル人材を目指す

人気ランキング

  • 1

    あの〈抗日〉映画「軍艦島」が思わぬ失速 韓国で非難された3つの理由

  • 2

    北朝鮮軍「処刑幹部」連行の生々しい場面

  • 3

    韓国・文大統領「日韓の障害は日本政府の変化。日本側の勇気ある姿勢必要」

  • 4

    セウォル号、接待禁止に台風直撃 韓国社会の問題が…

  • 5

    韓国人が「嫌いな国」、中国が日本を抜いて第2位に浮上

  • 6

    イルカの赤ちゃん、興奮した人間たちの自撮りでショ…

  • 7

    バルセロナで車暴走テロ、はねられて「宙に舞う」観…

  • 8

    雇用が回復しても賃金が上がらない理由

  • 9

    朴大統領の人事介入から口裂け女まで 検閲だらけの…

  • 10

    反日による日本人欠場でゲーム大会中止に

  • 1

    イルカの赤ちゃん、興奮した人間たちの自撮りでショック死

  • 2

    自分に「三人称」で語りかけるだけ! 効果的な感情コントロール法

  • 3

    米朝舌戦の結末に対して、中国がカードを握ってしまった

  • 4

    軍入隊希望が殺到? 金正恩「核の脅し」の過剰演出…

  • 5

    「ゴースト」「ドイツの椅子」......ISISが好んだ7種…

  • 6

    あの〈抗日〉映画「軍艦島」が思わぬ失速 韓国で非…

  • 7

    バルセロナで車暴走テロ、はねられて「宙に舞う」観…

  • 8

    北の譲歩は中国の中朝軍事同盟に関する威嚇が原因

  • 9

    英グラビアモデルを誘拐した闇の犯罪集団「ブラック…

  • 10

    「ディーゼル神話」崩壊、ドイツがEVへ急転換、一方…

  • 1

    マライア・キャリー、激太り120キロでも気にしない!?

  • 2

    トランプに「英語を話さない」と言われた昭恵夫人、米でヒーローに

  • 3

    日本の先進国陥落は間近、人口減少を前に成功体験を捨てよ

  • 4

    イルカの赤ちゃん、興奮した人間たちの自撮りでショ…

  • 5

    北朝鮮、グアム攻撃計画8月中旬までに策定 島根・広…

  • 6

    エリザベス女王91歳の式典 主役の座を奪ったのはあ…

  • 7

    ロシアが北朝鮮の核を恐れない理由

  • 8

    自分に「三人称」で語りかけるだけ! 効果的な感情コ…

  • 9

    米朝舌戦の結末に対して、中国がカードを握ってしま…

  • 10

    軍入隊希望が殺到? 金正恩「核の脅し」の過剰演出…

PICTURE POWER

レンズがとらえた地球のひと・すがた・みらい

全く新しい政治塾開講。あなたも、政治しちゃおう。
日本再発見 シーズン2
定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
メールマガジン登録
売り切れのないDigital版はこちら

MOOK

ニューズウィーク日本版 別冊

0歳からの教育 知育諞

絶賛発売中!

STORIES ARCHIVE

  • 2017年8月
  • 2017年7月
  • 2017年6月
  • 2017年5月
  • 2017年4月
  • 2017年3月