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アルカイダ

パキスタンの新たな脅威は「白い」テロリスト

2010年10月26日(火)15時53分
サミ・ユサフザイ(イスラマバード)、ロン・モロー(イスラマバード支局長)

 国際テロ組織アルカイダは長年の夢を実現させつつあるらしい。その夢とは西側のパスポートを持つ人々をテロリストに仕立てること。特に懸念されるのはアラブ系やトルコ系の「白い」ドイツ人テロリストの増加だ。

 ヨーロッパでは先日、08年のムンバイ同時多発テロと似たテロ計画が発覚。ドイツ警察当局は、ドイツから少なくとも70人がパキスタンのテロリスト訓練キャンプに渡った形跡があると認めた。さらに、イスラム過激派を対象に米軍の無人機がパキスタン北西部で行った最近の攻撃で死亡した9〜10人のうち4人はドイツ人だった。

 パキスタン当局は、ヨーロッパ出身のイスラム過激派の出入国を警戒しているようだ。ヨーロッパ諸国からのビザ申請者は厳しくチェックされ、パキスタン国内に確実な身元保証人がいない人のビザ取得は以前より難しくなった。

 最近はパキスタンの空港で特殊部隊が入国者を厳しく監視するようになってもいる。大半のビザの有効期限は1カ月だが、期限を超過して滞在している人物の洗い出しを情報機関が行っているという。

 だが、この対策には大きな抜け穴がある。テロ組織の「新人」の多くは空港での監視やビザの問題を回避するため、イラン経由の陸路で忍び込んでくるからだ。

[2010年10月27日号掲載]

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