最新記事
インターネット

「男性グループチャット」が孤独に悩む男性を救う・最新研究

Boys' Chat: All a Guy Needs

2023年5月28日(日)14時15分
イアン・レックリトナー(ライター)

例えばメンバーが男性ばかりの極右組織プラウド・ボーイズは、21年1月6日の米連邦議会議事堂襲撃をグループチャットで計画。男性チャットには人種差別、女性差別、同性愛嫌悪など、ひどい内容が書かれていることもある。

今年4月には21歳の空軍州兵が、銃やゲームの愛好家がよく利用するチャットサービス「ディスコード」の人種差別的なグループチャットに機密文書を流出させたとして、逮捕された。

支援ネットワークの役割

男性チャットのこうした奇妙な二極化は、多くのミームやTiktok(ティックトック)動画や、広く拡散するツイートのテーマになってきた。男性チャットには自分の睾丸の画像を見せ合うなどの悪ふざけもあれば、女性蔑視の色合いが濃い場合もある。

ユーモアのおかげで男性チャットのメンバーがヒートアップせずに済むのは言うまでもない。

男性チャットは「責任感と真実の場」だと、私と同じチャットのメンバーで禁酒仲間でもある30歳のケイシーは言う。

「自分を恥じる気持ちは禁酒生活最大の落とし穴だが、チャットではそんな気持ちになったことがない」

特に男性の場合、セラピーであれチャットであれ、グループ形式のほうが一対一よりも感情的になりやすいというのが心理学専門家の一般的な見方だ。

「多くの男性がスポーツや軍やボーイスカウトなどでチームを経験している」と、自殺未遂者の国際団体の会長で心理学者のサリー・スペンサートーマスは言う。この種のグループでは「ハグし合ったり、優勝を逃して泣いたりしても構わない」。

男性チャットの顔触れは多様なので、必要なときに必要な相手がいる可能性が高い。絶えずさまざまなやりとりが行われているため、一日中出入りして考えをシェアしたり、アドバイスしたり、質問に答えたりできる。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ベネズエラ沖の麻薬船攻撃、米国民の約半数が反対=世

ワールド

韓国大統領、宗教団体と政治家の関係巡り調査指示

ビジネス

エアバス、受注数で6年ぶりボーイング下回る可能性=

ワールド

EU、27年までのロシア産ガス輸入全面停止へ前進 
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 2
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的、と元イタリア空軍の専門家。NATO軍のプロフェッショナルな対応と大違い
  • 3
    【クイズ】アジアで唯一...「世界の観光都市ランキング」でトップ5に入ったのはどこ?
  • 4
    トランプの面目丸つぶれ...タイ・カンボジアで戦線拡…
  • 5
    中国の著名エコノミストが警告、過度の景気刺激が「…
  • 6
    死者は900人超、被災者は数百万人...アジア各地を襲…
  • 7
    「韓国のアマゾン」クーパン、国民の6割相当の大規模情…
  • 8
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 9
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 10
    イギリスは「監視」、日本は「記録」...防犯カメラの…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 6
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 7
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 8
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 9
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 10
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中