最新記事
SDGs

京大発「生物多様性のグーグル」?...バイオームが切り拓く「環境保全×ビジネス」の可能性

BIODIVERSITY PROFITS ALL

2026年1月7日(水)15時31分
岩井光子 (ライター)
生物情報収集アプリ「Biome(バイオーム)」の利用画面

撮影した生物の名前がその場で分かる COURTESY OF BIOME INC.

<生物多様性保全がお金を生み出す経済循環をつくる──京大大学院出身者たちによる市民参加型のアプリ「Biome(バイオーム)」とは?>

生物多様性の解像度を上げることが、企業や自治体、地域の魅力や信頼性を向上させるような社会を築きたい──。そんな思いから京都大学大学院出身者たちが立ち上げたベンチャー企業がある。その名もバイオームだ。

きっかけは、森林生態学研究室に所属していた藤木庄五郎が、東南アジアのボルネオ島で森林破壊を目にしたことだった。生物多様性が危機に瀕している一方、開発に関わる側に悪意があるわけではない。


「森林伐採が生計を支える経済構造に問題がある」と考えた藤木は、生物多様性保全がお金を生み出す経済循環をつくろうと決意。博士号取得直後の2017年に起業した。

「起業家が研究者と違うのはスピード感」だとCOOの多賀洋輝は言う。その言葉どおり創業2年目の19年、生物情報収集アプリ「Biome(バイオーム)」をリリースした。

研究で培った専門性と生物への愛を注いで開発したアプリは、ユーザーが生物を写真に撮ると、AI(人工知能)が種名を判断しアプリ内にコレクションできる仕組み。

撮影時間や場所を加味した学習アルゴリズムが、従来の画像認識アプリよりも高精度のAI判定を可能にする。25年現在は、日本の動植物のほぼ全種に当たる約10万種を網羅しているという。

資産運用
「高市トレード」に「トランプ関税」......相場が荒れる今こそ投資家が目を向ける「世界通貨」とは
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ米大統領、代替関税率を10%から15%に引

ビジネス

エヌビディアやソフト大手の決算、AI相場の次の試金

ワールド

焦点:「氷雪経済」の成功例追え、中国がサービス投資

ワールド

焦点:米中間選挙へ、民主党がキリスト教保守層にもア
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ウクライナ戦争4年 苦境のロシア
特集:ウクライナ戦争4年 苦境のロシア
2026年2月24日号(2/17発売)

帰還兵の暴力、ドローンの攻撃、止まらないインフレ。国民は疲弊しプーチンの足元も揺らぐ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体には濾過・吸収する力が備わっている
  • 2
    カビが植物に感染するメカニズムに新発見、硬い表面を突き破って侵入する力の正体が明らかに
  • 3
    「#ジェームズ・ボンドを忘れろ」――MI6初の女性長官が掲げる「新しいスパイの戦い方」
  • 4
    揺れるシベリア...戦費の穴埋めは国民に? ロシア中…
  • 5
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 6
    「窓の外を見てください」パイロットも思わず呼びか…
  • 7
    100万人が死傷、街には戦場帰りの元囚人兵...出口な…
  • 8
    ロシアに蔓延する「戦争疲れ」がプーチンの立場を揺…
  • 9
    「高市トレード」に「トランプ関税」......相場が荒…
  • 10
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルー…
  • 1
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より日本の「100%就職率」を選ぶ若者たち
  • 2
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く高齢期の「4つの覚悟」
  • 3
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体には濾過・吸収する力が備わっている
  • 4
    「#ジェームズ・ボンドを忘れろ」――MI6初の女性長官…
  • 5
    海外(特に日本)移住したい中国人が増えている理由.…
  • 6
    オートミール中心の食事がメタボ解消の特効薬に
  • 7
    なぜ「あと1レップ」が筋肉を壊すのか...「高速パワ…
  • 8
    「目のやり場に困る...」アカデミー会場を席巻したス…
  • 9
    100万人が死傷、街には戦場帰りの元囚人兵...出口な…
  • 10
    カビが植物に感染するメカニズムに新発見、硬い表面…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 6
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 7
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 8
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 9
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 10
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中