最新記事
SDGsパートナー

7時間以上を家事や介護に費やす中学生も...日本イーライリリーが挑む「ヤングケアラー支援」

2024年12月13日(金)16時00分
ニューズウィーク日本版編集部SDGs室 ブランドストーリー

製薬企業だからこそできることを...日本イーライリリーが示す未来への道

「ヤングケアラーを取り巻く環境改善プロジェクト」の背景には、社員の熱意と同社の理念があると、プロジェクトを担当する川副祐樹氏は語る。

「私たちは『世界中の人々のより豊かな人生のため、革新的医薬品に思いやりを込めて』という使命のもと、日本では50年に渡って成長を続けてきました。このプロジェクトは、子どもたちの豊かな未来を支える重要な活動として、経営陣を含めた会社全体でコミットしています。これまでに、のべ1000人以上の社員が関わってきました。ヤングケアラーは薬局やクリニックに足を運ぶ機会も多いため、今後そうした医療業界での認知向上が、私たちだからこそできることだと考えています」

newsweekjp20241211032040-43e628d05ce0d6e6d3c8e57aa914278e12451ae3.jpg

東京港区や兵庫神戸市の近隣企業を巻き込んだ映画上映会&トークセッション(2024年10月)

日本イーライリリーが重視しているのは「独りよがりの活動をしないこと」だ。

「可哀想だとは思われたくない」という子どももいれば、「ケアを誇りに思っている」という子どももいる。また、「友達には言えず孤独を感じる」という子どももいる。それぞれの状況に応じた支援を行うため、同社は支援団体と意見を交わしながら慎重に活動を進めている。

ヤングケアラーを取り巻く問題は日本だけに限らない。HIV/AIDSの影響が深刻なアフリカのサハラ以南では、子どもたちが家族のケアを担うケースが多発しており、深刻な社会課題となっている。一方で、イギリスでは2014年に「子どもと家族に関する法律」が制定されるなど、問題解決に向けた先進的な取り組みが進められている。日本イーライリリーの活動は、他国にとっても参考になるだろう。実際に同社はアメリカ本社やイギリス支部と連携し、日本での取り組みをグローバルに発信している。同社の活動が、世界中のヤングケアラー支援に繋がることが期待される。

ニューズウィーク日本版 高市早苗研究
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年11月4日/11日号(10月28日発売)は「高市早苗研究」特集。課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら



あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米国株式市場=主要3指数が連日最高値、米中貿易摩擦

ワールド

ハマスが人質遺体1体を返還、イスラエルが受領を確認

ビジネス

NY外為市場=ドル軟調、米中懸念後退でリスク選好 

ワールド

UBS、米国で銀行免許を申請 実現ならスイス銀とし
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 2
    庭掃除の直後の「信じられない光景」に、家主は大ショック...ネットでは「ラッキーでは?」の声
  • 3
    「平均47秒」ヒトの集中力は過去20年で半減以下になっていた...「脳が壊れた」説に専門家の見解は?
  • 4
    熊本、東京、千葉...で相次ぐ懸念 「土地の買収=水…
  • 5
    「信じられない...」レストランで泣いている女性の元…
  • 6
    中国のレアアース輸出規制の発動控え、大慌てになっ…
  • 7
    「宇宙人の乗り物」が太陽系内に...? Xデーは10月2…
  • 8
    シンガポール、南シナ海の防衛強化へ自国建造の多任…
  • 9
    中国レアアース輸出規制強化...代替調達先に浮上した…
  • 10
    「死んだゴキブリの上に...」新居に引っ越してきた住…
  • 1
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 2
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 3
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 4
    中国レアアース輸出規制強化...代替調達先に浮上した…
  • 5
    超大物俳優、地下鉄移動も「完璧な溶け込み具合」...…
  • 6
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 7
    熊本、東京、千葉...で相次ぐ懸念 「土地の買収=水…
  • 8
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 9
    【2025年最新版】世界航空戦力TOP3...アメリカ・ロシ…
  • 10
    シンガポール、南シナ海の防衛強化へ自国建造の多任…
  • 1
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 2
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 9
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中