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楽器演奏が「脳の健康」を保つ...高齢期の記憶力維持と認知症リスク低下の可能性、英研究

Brain Tuning With Music

2025年10月27日(月)07時00分
ジェス・トムソン(科学担当)
音楽は聴くだけでなく実際に歌ったり演奏したりするといい GROUND PICTURE/SHUTTERSTCOK

音楽は聴くだけでなく実際に歌ったり演奏したりするといい GROUND PICTURE/SHUTTERSTCOK

<生涯を通じて音楽活動に親しめば記憶力や問題解決能力が保たれるとの研究が>


▼目次
楽器演奏で「脳が強くなる」理由
認知症患者にも広がる「音楽の力」

年を取っても楽器の演奏や合唱を続けていれば、認知症のリスクを減らせるかもしれない。

英エクセター大学の研究チームが2024年1月に学術誌「国際老年精神医学ジャーナル」で発表した論文によれば、何らかの形で音楽の活動や創作に関わっている人は、そうでない人に比べて高齢になっても脳の機能を維持できる可能性が高い。とりわけピアノはいいそうだ。

認知症の専門家で今回の研究チームの1人である同大学のアン・コーベット教授によれば「音楽に携わり、特に楽器の演奏を学んだ人は高齢期に入ってもより良い脳機能を維持していることが確認できた」。

イギリスには加齢と健康の関係をオンラインで調べるオープン参加型の研究プログラム「PROTECT」があり、約2万5000人が登録しているが、今回はそのうち約1100人が研究に協力した。

「楽器、なかでも鍵盤楽器の演奏が記憶力や問題解決能力の向上につながることは知られている」とコーベットは言う。「特に高齢期に入っても演奏を続けている人に最も良い結果が出ている。生涯現役で音楽に関わることが重要と考えられる」

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