最新記事
マネー

プロが伝授、定年後の手取り収入を最大化する「手当・給付金」全手続き 申請を忘れると大損な退職金・年金の受け取り方

2023年8月18日(金)18時35分
頼藤太希(Money&You代表取締役) *PRESIDENT Onlineからの転載

税金や社会保険料を減らし退職金の手取りを最大化

退職金の金額は年々減少傾向にあります。そのなかで退職金の金額を増やすことは難しいでしょう。しかし、退職金にかかる税金や社会保険料を減らし、退職金の手取り金額を最大化することはできます。

退職金の受け取り方には、一括で受け取る「一時金」、分割で受け取る「年金」、一部を一時金、残りを年金で受け取る「一時金&年金」があります。このうち、退職金の手取り金額を最大化できるのは「一時金」です。

会社での給与や賞与は「給与所得」という所得ですが、一時金で受け取る退職金は「退職所得」という所得になります。退職所得は分離課税といって、他の所得とは区別して課税されます。退職所得は、「(退職一時金-退職所得控除)×2分の1」という式で計算します。

退職所得控除は、退職金を一時金で受け取るときに利用できる控除です。退職所得控除の金額は、勤続年数によって計算します。退職所得控除の計算式は、勤続年数が20年以下、または20年超かで変わります。

図表2 退職所得控除の計算式

出所=国税庁

退職金は退職所得控除と公的年金等控除を併用して節税

勤続年数が20年以下の場合は毎年40万円ずつ増加するのに対し、20年超の部分は毎年70万円ずつ増加します(政府の動向次第ですが、20年超の部分も20年以下と同じく40万円に引き下げられる可能性があります)。

つまり、退職金が退職所得控除よりも少なければ、税金はかかりません。また、退職金が退職所得控除よりも多くても、退職所得となるのは、その多い分の金額の2分の1ですから、退職所得控除の効果が大きいことがわかります。そのうえ、退職金を一時金で受け取る場合は社会保険料の負担もありません。

一方、年金で受け取る場合は、退職所得控除は使えません。そのかわり、公的年金等控除という控除が利用できますが、控除される金額は退職所得控除よりも少なくなります。

もしも、退職金の額が退職所得控除より多い場合は、退職所得控除の金額までは一時金で受け取り、残りは年金で受け取る「一時金&年金」を利用すれば、退職所得控除も公的年金等控除も活用しながら税金を減らせます。年金の部分は、なるべく長期間かけて少しずつ受け取るようにすると、毎年の年金にかかる税金や社会保険料も少なくできます。

また、iDeCoや企業型DCといった確定拠出年金制度を利用している場合は、先にiDeCoや企業型DCの資産を一時金で受け取るようにします。退職金に利用できる退職所得控除の非課税額は「前年以前4年の間(=5年前)に受け取った一時金」と合算するルールです。

したがって、先にiDeCoや企業型DCの一時金を受け取り、5年以上後に退職金を受け取るようにすると、iDeCo・企業型DCにも退職金にもそれぞれの退職所得控除がフル活用できます。

メンバーシップ無料
ニューズウィーク日本版メンバーシップ登録
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

再送-〔アングル〕4月の日本株は波乱含み、「持たざ

ビジネス

アイリスオーヤマ、ライフドリンクC株を大量保有 純

ビジネス

英中銀、窓口貸し出しコスト引き下げ 担保品質に応じ

ビジネス

日銀と経済の見方に大きな齟齬ない=需給ギャップ見直
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:BTS再始動
特集:BTS再始動
2026年3月31日号(3/24発売)

3年9カ月の空白を経て完全体でカムバック。世界が注目する「BTS2.0」の幕開け

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反対署名...「歓迎してない」の声広がる
  • 2
    中国最大の海運会社COSCOがペルシャ湾輸送を再開──緊張緩和の兆しか
  • 3
    作者が「投げ出した」? 『チェンソーマン』の最終回に世界中から批判殺到【ネタバレ注意】
  • 4
    「俺たちはただの人間だ」――BTSが新アルバム『ARIRAN…
  • 5
    まずサイバー軍が防空網をたたく
  • 6
    親の遺産はもう当てにできない? ベビーブーム世代…
  • 7
    意外と「プリンス枠」が空いていて...山崎育三郎が「…
  • 8
    デンマーク王妃「帰郷」に沸騰...豪州訪問で浮かび上…
  • 9
    「予想よりも酷い...」ドラマ版『ハリー・ポッター』…
  • 10
    日本経済にとって、円高/円安はどちらが「お得」な…
  • 1
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公開...母としての素顔に反響
  • 2
    【銘柄】「三菱商事」の株価に高まる期待...ホルムズ海峡封鎖と資源価格高騰が業績を押し上げ
  • 3
    「マツダ・日産・スバル」が大ピンチ?...オーストラリアの「NVES規制」をトヨタが切り抜けられた理由
  • 4
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 5
    レストラン店内で配膳ロボットが「制御不能」に...店…
  • 6
    三笠宮彬子さまも出席...「銀河の夢か、現実逃避か」…
  • 7
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反…
  • 8
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する…
  • 9
    中国の公衆衛生レベルはアメリカ並み...「ほぼ国民皆…
  • 10
    イランは空爆により核・ミサイル製造能力を「喪失」…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 8
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 9
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 10
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中