最新記事
株式市場

インド株から中国株へ、「外国人投資家」の急速なシフトが鮮明に...なぜ従来の流れは一変した?

2025年3月22日(土)12時07分
インド株離れと中国株シフトの理由

3月19日、外国人投資家のインド株離れが進み、過去最速ペースで売りが出ている。写真は11日、ムンバイにあるボンベイ証券取引所前で撮影(2025年 ロイター/Francis Mascarenhas)

外国人投資家のインド株離れが進み、過去最速ペースで売りが出ている。一方で中国株には盛んに買いが入っており、インドと中国はこの半年間で形勢が逆転した。

インドでは高インフレと金利上昇により企業収益が悪化しており、ナショナル証券取引所に上場する50銘柄で構成するNSE指数が昨年9月の最高値から13%下落し、時価総額が1兆ドル吹き飛んだ。一方の中国は景気刺激策への期待が投資家の関心を集めている。

モルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメントのソリューション&マルチアセットグループ副最高投資責任者(CIO)、ジタニア・カンダリ氏は「資金はインドではなく、中国に流れている」と話した。

外国人投資家が昨年10月以降にインド株式市場から引き揚げた資金は290億ドル近くと、半年間の流出額として過去最高を記録。インド市場はこの数年間、多くの投資家から選好されてきたが、流れが急変した。

流出した資金の多くは中国市場へ向かい、主要中国企業で構成する香港ハンセン指数は昨年9月下旬以降に36%上昇した。中国のスタートアップ、ディープシークがけん引する人工知能(AI)分野への期待が資金を引き寄せたためだ。

消費関連銘柄に重点的に投資する英オーブリー・キャピタル・マネジメントは2年ぶりに中国のポートフォリオ比率をインドよりも高くした。ポートフォリオマネジャーのロブ・ブルーイス氏によると、この数年値動きが好調だったインド株で利益を確保したが、「その一部を中国や東南アジア、他の市場に投入している」と言う。

インタビュー
現役・東大院生! 中国出身の芸人「いぜん」は、なぜ「日本のお笑い」に挑むのか?
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

エアバス、受注数で6年ぶりボーイング下回る可能性=

ワールド

EU、27年までのロシア産ガス輸入全面停止へ前進 

ワールド

アングル:中東ファンドがワーナー買収に異例の相乗り

ワールド

タイ・カンボジア紛争、トランプ氏が停戦復活へ電話す
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 2
    【クイズ】アジアで唯一...「世界の観光都市ランキング」でトップ5に入ったのはどこ?
  • 3
    トランプの面目丸つぶれ...タイ・カンボジアで戦線拡大、そもそもの「停戦合意」の効果にも疑問符
  • 4
    中国の著名エコノミストが警告、過度の景気刺激が「…
  • 5
    死者は900人超、被災者は数百万人...アジア各地を襲…
  • 6
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的、と元イタリア…
  • 7
    「韓国のアマゾン」クーパン、国民の6割相当の大規模情…
  • 8
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 9
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 10
    イギリスは「監視」、日本は「記録」...防犯カメラの…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 6
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 7
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 8
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 9
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 10
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中