「セックスと恋愛を素直に見つめた」...米ロック界を席巻する性的マイノリティ歌手のラブソング

‘It’s Just Straight–Up How I Felt’

2025年4月25日(金)17時25分
デービッド・チウ(音楽ライター)

前作『ホーム・ビデオ』では、故郷バージニア州での少女時代を振り返っていたが、最新作は「現在地」の記録だ。これまでよりオープンで率直な態度で、セックスや愛、人間関係というテーマを取り上げている。

「『ホーム・ビデオ』についてよかったと思うのは、あの時期は過ぎたと感じること」だという。「過去の出来事にこだわっていない。目下、本当に関心があるのは現在のこと。愛と愛が意味するもの、私の人生や社会で愛が果たす役割に焦点を当てている」


そうした視点がよく表れているのが、切実感や官能、優しさに満ちたロマンチックな収録曲「アンクルズ」だ。「私の肩をかんで/髪を引っ張って/私が触りたいところに触らせて」と歌う一方で、「もし触れ合わなかったら?/話をするだけなら?/欲しいものについて/手に入らないものについて」と、セックス以外のコミュニケーションの大切さにも踏み込んでいる。

この曲は「感じたことそのまま」と、本人は言う。「ベッドの中で、相手にしたいことを表現している。でもコーラス部分の終わりでは、朝起きて、お茶が欲しいと思うときのことになる。欲望だけでなく、『あなたと静かな時間も過ごしたい』と。親密な関係の全ての面を描いていて、誰かと一緒の人生を想像することがテーマになっている」

ルーシー・ダッカス「アンクルズ」

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