最新記事
音楽

ビートルズの伝説が始まったあの「初登場」から60年...熱狂の中、本人たちは「卑下」していた

60 Years of Beatlemania

2024年2月23日(金)18時40分
マンディ・タヘリ
ビートルズ『エド・サリバン・ショー』

1964年2月9日の『エド・サリバン・ショー』は視聴率60%超え MICHAEL OCHS ARCHIVES/GETTY IMAGES

<1964年2月の『エド・サリバン・ショー』初出演から60周年。当時の映像と、本誌の取材でポールらが語ったこと>

ビートルズがアメリカのテレビ番組に初めて登場したのは、60年前の『エド・サリバン・ショー』だ。ポール・マッカートニーとジョージ・ハリスン、ジョン・レノン、リンゴ・スターの4人は、笑顔で司会者のエド・サリバンと言葉を交わしていた。

調査会社ニールセンによれば、1964年2月9日に放送されたこの番組(当時の映像はこちら)を、当時の米テレビ番組史上最多の7300万人以上が視聴した。視聴率は60%を超えたという。

撮影が行われたニューヨークのスタジオには700人を超える人々が集まり、観覧席は満席に。「ニューヨークの街は、リバプールから来たこの若者たち、その名もビートルズが引き起こした過去に例のない興奮に包まれています」とサリバンは述べた。

当時の本誌の取材に、ハリスンは「僕らはミュージシャンとしてはぱっとしない」と語った。マッカートニーも「歌も下手だし何もできない。すごく楽しんではいるけどね」と自分たちを卑下した。

にもかかわらず、ビートルズはアメリカの人々を魅了した。「ビートルマニア」という言葉が生まれるほどに。空港には3000人を超える熱烈なファンが待ち構えた。髪形をまねたかつらを買うファンもいた。

240227p60_BTS_02.jpg

NEWSWEEK ARCHIVE

ビートルズは1964年2月に3回、翌1965年の9月にも1回、『エド・サリバン・ショー』に出演した。計4回の出演で演奏した楽曲のうち、7曲がナンバーワンヒットとなった。

ビートルズは1970年代初めに解散し、1980年にレノンが、そして2001年にはハリスンがこの世を去った。だがファンは今もビートルズに熱い思いを寄せる。

昨年5月には音楽配信サービスのスポティファイで「ヒア・カムズ・ザ・サン」が再生回数10億回を記録。11月には「ビートルズ最後の曲」とされる「ナウ・アンド・ゼン」が発表され、ビートルズの名がヒットチャートに久しぶりに登場した。

「愛こそ全て」と歌ったビートルズは、今も多くの人から愛されている。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ゼレンスキー氏、トランプ氏と28日会談 領土など和

ワールド

ロシア高官、和平案巡り米側と接触 協議継続へ=大統

ワールド

前大統領に懲役10年求刑、非常戒厳後の捜査妨害など

ワールド

中国、米防衛企業20社などに制裁 台湾への武器売却
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指すのは、真田広之とは「別の道」【独占インタビュー】
  • 4
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 5
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 6
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 7
    「時代劇を頼む」と言われた...岡田准一が語る、侍た…
  • 8
    「衣装がしょぼすぎ...」ノーラン監督・最新作の予告…
  • 9
    「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野…
  • 10
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 6
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 7
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 8
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 9
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 10
    懲役10年も覚悟?「中国BL」の裏にある「検閲との戦…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中