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早期定年を迎える自衛官「まだまだやれると思っていた...」55歳退官で年収750万円が200万円に激減の現実

2024年6月10日(月)17時53分
松田 小牧(ライター)*PRESIDENT Onlineからの転載

遠山氏は、再就職に際し損保会社を希望したものの、タイミングが合わずやむなく警備会社に就職を決めた。ただ、就職時には無線関連の業務を任せてもらえると聞いていたところ、入社後に求められたのは警備員としての業務だった。

当初は「いまは無線関連の仕事の枠がないため、一時的にお願いしたい」と頼まれたため仕方なく応じたものの、その後、実は当面無線関連の仕事の空きが出ないことを知った。会社からは再度「そのまま警備員をやってほしい」と頼まれたものの、「話が違う」と退職の道を選んだ。

ただ幸運なことに、たまたまその時期にもともと希望していた損保関連の仕事の求人を発見。無事内定に至った。身分は契約社員だが、職場環境は極めてよく、「ここなら定年まで働きたい」と思うほどだった。

ところがある日、ふと家計を見直したところ、退職金や若年退職者給付金がどんどん減っていることに気がついた。「このまま減り続けたらどうなるだろう」。

危機感を抱いた遠山氏はファイナンシャルプランナーのもとを訪れ、収支に関するシミュレーションを実施。その結果、数年で貯金が枯渇することが判明した。

当時の給料は手取りで20万円。これまで特に贅沢をしてきたつもりはなかったため、「お金がなくなるかもしれない」とは考えたこともなかった。

しかし専業主婦の妻、大学生となり一人暮らしを始める娘、障害を抱えた息子......。この給料で家族を支えることは難しかった。車の維持費すら頭が痛くなるが、地方の生活に車は欠かせない。ファイナンシャルプランナーからは、「収入を上げることが望ましい」と指摘を受けた。

【「再就職後に資産形成」は難しい】

そこで、やむなく恵まれた職場を離れ、完全歩合制のタクシー運転手に転職を果たす。研修期間は苦しい日々だったが、いまは妻も派遣社員としてほぼフルタイムで仕事を始め、「ようやくなんとかなってきた」と話す。

なおこの「給与が少なく離職」というのは、近年になるほど差し迫った問題となっているようだ。

いまは再就職に向けた教育の中でも「再就職後に資産形成を行うのは難しい」と話すというが、筆者が取材できた中では、70代以上では「退官後、お金に困ることはなかった」と話す傾向にあった。

なぜ、そうなるのか。

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