トランプ勝利で円安再燃、揺れる利上げ慎重論...介入警戒感も浮上
再浮上する年内利上げ説
もっとも、政治サイドがこうした姿勢を維持できるかは見通せない。
トランプ氏が掲げる政策には、代表的な減税措置のほか、関税強化や不法移民の送還なども盛り込まれ、実現すればインフレを促進させることになりかねない。
「インフレが再燃すれば米利下げの着地点が従来想定よりも高くなったり、再び(米国が)利上げに傾くこともあり得る。政策実現性の高まりは円安を誘発し、日銀の利上げを促す材料になる」とニッセイ基礎研究所の上野剛志・上席エコノミストは言う。
円安は、輸出や対日消費を通じメリットが得られる半面、家計や中小企業への負担が膨らみやすい。放置すれば、金看板である「物価高に負けない賃上げ定着」にも黄信号が灯りかねない。
「トランプ氏の選出で米長期金利は低下しづらく、間違いなく円安圧力がかかりやすくなった。さらに円安が進めば12月の日銀利上げもあり得る」と、みずほリサーチ&テクノロジーズの太田智之チーフエコノミストは語る。
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