コラム

中国ネットに住む「聴床師」たちとは何者か?

2024年12月26日(木)10時45分
ラージャオ(中国人風刺漫画家)/トウガラシ(コラムニスト)

聴床師たちの投稿が中国政府によって即座に削除され、時に流した人物が処罰されることも、その信憑性を裏付けるように映る。コロナ禍を経て、中国人はますます「政府に不利な真相だから削除された」という思考習慣を持つようになった。

人は常に自分が信じたいものを信じる。自分の思い込みや願望を強化する情報ばかりを集める傾向を、認知心理学や社会心理学の専門用語で「確証バイアス」という。面白いことに、中国人の確証バイアスは「最高指導者の失脚説」や「党内分裂」ばかりだ。聴床師の嘘の中に、中国人の本音が隠れている。


最近、かつて習との闘争に敗れて失脚した共産党政治家の薄熙来(ボー・シーライ)が、息子と台湾人女性との結婚式に出るため台湾を訪れた、という偽画像がネットで出回った。ここにも、中国人の習に対する本音と願望が透けて見える。

ポイント

李克強
中国共産主義青年団出身のたたき上げの政治家。北京大学卒。河南省と遼寧省の共産党委書記、副首相を経て首相に。経済学の博士号を持つ経済通だが傍流に追いやられ、23年10月に死去。

薄熙来
父は革命第一世代の太子党。重慶市共産党委書記などを歴任。習近平のライバルだったが、12年に妻のイギリス人殺害事件への関与や不正蓄財などのスキャンダルが発覚し失脚した。

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プロフィール

風刺画で読み解く中国の現実

<辣椒(ラージャオ、王立銘)>
風刺マンガ家。1973年、下放政策で上海から新疆ウイグル自治区に送られた両親の下に生まれた。文革終了後に上海に戻り、進学してデザインを学ぶ。09年からネットで辛辣な風刺マンガを発表して大人気に。14年8月、妻とともに商用で日本を訪れていたところ共産党機関紙系メディアの批判が始まり、身の危険を感じて帰国を断念。以後、日本で事実上の亡命生活を送った。17年5月にアメリカに移住。

<トウガラシ>
作家·翻訳者·コラムニスト。ホテル管理、国際貿易の仕事を経てフリーランスへ。コラムを書きながら翻訳と著書も執筆中。

<このコラムの過去の記事一覧はこちら>

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