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アメリカの分裂が深刻でも分離独立は起こらない理由
トランプ政権発足後、カリフォルニア州の分離独立を求める人々 Chelsea Guglielmino/GETTY IMAGES
<トランプ政権発足で亀裂は深まる一方だが、合衆国憲法の修正の難しさが飛び火を防ぐ壁に>
イラク北部クルド自治区やスペインのカタルーニャ自治州など、分離独立を問う住民投票が相次いでいる。分裂が深刻化しているアメリカにも飛び火する可能性はあるのか。そんな質問を受けることが増えた。
16年の大統領選でトランプがまさかの勝利を収めた当初は、分離独立など憲法上あり得ないと一笑に付していた。だがトランプ大統領が誕生する可能性があるかと14年に問われていたなら、やはり一蹴していただろう。アメリカでの分離独立に現実味はどの程度あるのだろうか。
手短に言えば、分離独立は不可能に近い。実現には合衆国憲法の修正が必要で、修正第1条から第10条までの「権利章典」が発効した1791年以降で修正が行われたのは17回のみだ。しかし最近の世論調査では、アメリカ人の25%が地元州の分離独立を支持。支持率は南西部で最も高いが、他の地域でも20%前後ある。
分離独立の機運が特に高まっているのはテキサス州とカリフォルニア州だが、理由はそれぞれ異なる。テキサス州の場合、住民の26%が分離独立を支持しているが、その背景にあるのは人種的不和だ。16年のテキサス共和党大会では分離独立の是非を問う住民投票の実施が僅差で否決されたが、分離独立を支持する声は民主党より共和党に多い。一説には同州の共和党員の過半数近くが分離独立を支持しているという。
テキサスは共和党が圧倒的に強い州だが、国レベルの政治家はこうした動きを完全に無視してきた。憲法修正は至難の業であり、分離独立を支持すれば合衆国を弱体化させ、不可能なことに時間を浪費していると猛批判を浴びるのは必至だからだ。
ただし共和国だったテキサスがアメリカとの併合を承認した1845年の併合決議によれば、テキサスが望めば最大で5州まで分割できるという内容が盛り込まれており、これをテコに議会での影響力を拡大させることはできる。
財政への不満も背景に?
テキサスに対し、カリフォルニアの場合は共和党の反知性主義的ポピュリズムに対する嫌悪感や同州の「優越性」に起因している。スキルや才能重視の傾向が進む社会で、グローバル化の恩恵を受けている人々と取り残された人々との格差が広がっている。修士号取得率が中間値を上回る18州は全て昨年の大統領選でクリントンに投票。人口増加率が最も高い大都市圏では民主党が支持を拡大している。
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