コラム

産官学が連携、日本の「未来への取り組み」の変革...新たな政策形成や企業経営の在り方を模索

2025年10月21日(火)16時35分

これらの取り組みに共通するのは、従来の延長線上の思考から脱却し、より開かれた未来思考を社会に実装しようとする強い意志である。政府機関の構造的なリスク回避傾向や企業における目先重視の投資傾向など、現実的な制約を踏まえつつ、それらを克服する具体的な手法を提示している点で、単なる理論提案を超えた実践的価値を有している。

今後、これらのプロジェクトがどのような成果を生み出し、日本社会における意思決定文化の変革にどの程度貢献するかは、未来洞察手法の社会実装における重要な試金石となるであろう。未来デザイン・ラボを中心とした日本総研の取り組みは、不確実性の時代における新たな政策形成・企業経営のモデル構築に向けた、極めて意義深い社会実験として位置づけることができそうだ。

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2025年10月28日号(10月21日発売)は「脳寿命を延ばす20の習慣」特集。高齢者医療専門家・和田秀樹医師が説く、脳の健康を保ち認知症を予防する日々の行動と心がけ

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プロフィール

南 龍太

共同通信社経済部記者などを経て渡米。未来を学問する"未来学"(Futurology/Futures Studies)の普及に取り組み、2019年から国際NGO世界未来学連盟(WFSF・本部パリ)アソシエイト。2020年にWFSF日本支部創設、現・日本未来学会理事。主著に『未来学』(白水社)、『生成AIの常識』(ソシム)『AI・5G・IC業界大研究』(いずれも産学社)など、訳書に『Futures Thinking Playbook』(Amazon Services International, Inc.)。東京外国語大学卒。

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高齢者医療専門家の和田秀樹医師が説く――脳の健康を保ち、認知症を予防する日々の行動と心がけ

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