コラム

携帯契約での「読み取り義務化」は、マイナンバーカードの「基本概念」を根本的にひっくり返す悪手だ

2024年07月04日(木)11時42分

これまでの政府の説明は完全に破綻してしまった

改めて説明するまでもなく、マイナンバーそのものとマイナンバーカードは不可分ではなく、カードがなくても、制度は問題なく機能する。実際、韓国では類似の制度を既に導入しており、行政手続きは日本では考えられないほど便利になっているが、手続きに際してカードの提示は必須ではない。

筆者は、政府内部で制度設計に携わった担当者や、カード導入を強く主張した関係者の多くが、カードという物理的なツールが存在しないと本人確認ができないと、本気で誤解していたのではないかと疑っている。

いずれにせよ、これまでの政府の説明は完全に破綻しており、到底、国民の信頼を得ることはできないばかりか、大規模な情報漏洩など取り返しのつかない事故を引き起こすリスクについても考える必要が出てきた。マイナンバー制度はゼロベースで見直す必要があるだろう。


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プロフィール

加谷珪一

経済評論家。東北大学工学部卒業後、日経BP社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当する。独立後は、中央省庁や政府系金融機関などに対するコンサルティング業務に従事。現在は金融、経済、ビジネスなどの分野で執筆活動を行うほか、テレビやラジオで解説者やコメンテーターを務める。『お金持ちの教科書』(CCCメディアハウス)、『スタグフレーション』(祥伝社新書)、『本気で考えよう! 自分、家族、そして日本の将来』 (幻冬舎新書)など著書多数。

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