麻薬でも石油でもない...トランプがベネズエラを攻撃した「根本的な理由」と、世界秩序への影響
NIKOLAS KOKOVLISーNURPHOTOーREUTERS
<アメリカによるベネズエラ攻撃は、昨年末にトランプが発表した「国家安全保障戦略」の内容がいかに衝撃的だったかを改めて示す出来事と言える>
アメリカが突如、南米ベネズエラを攻撃し、大統領の身柄を拘束した上でアメリカ国内の裁判にかけるという驚くべき事態が発生した。国際社会には衝撃が走っているが、今回のアメリカの行動は昨年末に発表された新世界戦略と密接に関係しており、今後の国際社会の動向を示す予兆ともいえる。
トランプ政権は2026年1月3日、ベネズエラを攻撃し、ニコラス・マドゥロ大統領を拘束した上でアメリカに移送する作戦を実施した。一連の軍事作戦で米側に被害は出ていないものの、ベネズエラ側は民間人を含む100人の死者が出たと発表している。
トランプ政権はマドゥロ氏を正式な大統領として認めておらず、あくまで犯罪者として国内法で裁きたい意向だが、他国に一方的に軍を進め、大統領を拘束するという行為は国際法違反となる可能性が高い。各国はアメリカのあからさまな行動に衝撃を受けている状況だ。
今回の作戦実施に関してメディアでは、トランプ政権にとって麻薬対策は極めて重要なテーマである、あるいはベネズエラの石油利権の確保が狙いであるといった分析が行われているが、これらは表面的な理由にすぎない。
アメリカが南米からの麻薬流入に神経をとがらせていることや、世界有数の埋蔵量を誇るベネズエラの石油利権にアメリカの石油メジャーが関心を寄せていることは事実だが、背景にはもっと大きな理由がある。
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