コラム

日本の現実は「解散した方が合理的」な企業がほぼ半数...そこで起きた「株高」の理由と、期待感とは?

2024年02月02日(金)17時23分

高い株価を維持する戦略と高い賃金は比例する関係

株価を意識した経営と聞くと、一部の人は短絡的にマネーゲームのようなものを想像するかもしれないが、現実は全く異なる。

先ほど説明したように、企業が株式をわざわざ上場するのは、資金調達が目的である。株価を高く維持することは、企業の資金調達環境改善につながり、最終的には業績拡大や従業員の賃金上昇をもたらす。高い株価を維持する経営戦略と高い賃金は基本的に比例する関係にあると考えていい。

PBRが1倍割れを起こしている企業の多くは、株価が割安なのではなく、将来に向けた十分な展望や戦略が描けていないのが現実だ。事実上、企業の経営に介入する東証の改革手法は荒療治と言えるかもしれないが、成長を実現できない企業は本来、株式を上場すべきではない。

長期にわたってぬるま湯につかり切っていた日本企業に対してはやむを得ない措置であり、経済全体への効果も大きいと考えられる。株式市場において企業の選別が進むのは決して悪いことではない。

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プロフィール

加谷珪一

経済評論家。東北大学工学部卒業後、日経BP社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当する。独立後は、中央省庁や政府系金融機関などに対するコンサルティング業務に従事。現在は金融、経済、ビジネスなどの分野で執筆活動を行うほか、テレビやラジオで解説者やコメンテーターを務める。『お金持ちの教科書』(CCCメディアハウス)、『スタグフレーション』(祥伝社新書)、『本気で考えよう! 自分、家族、そして日本の将来』 (幻冬舎新書)など著書多数。

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