コラム

「予知夢」が当たったと思うのは......脳のメカニズムの副作用

2021年12月14日(火)18時00分

一致していると思い込み、当たったほうを過大評価

「超常現象が見える理由」(日経サイエンス14年2月号)に興味深い事実が提示されている。予知夢を見たと考えている人が書いたと思われる日記を学生に読ませる。その日記の中には、当人が見た夢の内容と実生活で起きたことが書かれている。当然、その中には夢と現実が一致するものもあれば、しないものもある。「これを読んだ後に思い出せる限り多くの夢を挙げてもらったところ、実際の出来事とたまたま合致した夢については約60%を覚えていたのに、そうでない夢は40%しか覚えていなかった」

当たった夢の裏には、相応の外れた夢がある。一致していると思い込みたくなり、当たったほうを過大に評価する。しょせんその程度のものと思って楽しむ分にはいいかもしれないが、予言を過大評価しても得られるものはない。そんな、当然の教訓が得られる一冊として読んでみるのが妥当である。

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プロフィール

石戸 諭

(いしど・さとる)
記者/ノンフィクションライター。1984年生まれ、東京都出身。立命館大学卒業後、毎日新聞などを経て2018 年に独立。本誌の特集「百田尚樹現象」で2020年の「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞作品賞」を、月刊文藝春秋掲載の「『自粛警察』の正体──小市民が弾圧者に変わるとき」で2021年のPEPジャーナリズム大賞受賞。著書に『リスクと生きる、死者と生きる』(亜紀書房)、『ルポ 百田尚樹現象――愛国ポピュリズムの現在地』(小学館)、『ニュースの未来』 (光文社新書)など

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