ニュース速報
ワールド

ウクライナは単なる資源提供国にならず、ゼレンスキー氏 米提案批判

2025年02月19日(水)20時30分

ウクライナのゼレンスキー大統領(写真)は、レアアース(希土類)など同国が産出する重要鉱物に関する米国の提案は、ウクライナの安全保障が含まれておらず不公平だと指摘し、ウクライナが単に資源供給国になることは望んでいないと述べた。18日撮影。(2025 ロイター/Cagla Gurdogan)

[アンカラ 19日 ロイター] - ウクライナのゼレンスキー大統領は、レアアース(希土類)など同国が産出する重要鉱物に関する米国の提案は、ウクライナの安全保障が含まれておらず不公平だと指摘し、ウクライナが単に資源供給国になることは望んでいないと述べた。トルコ国営アナドル通信が19日伝えた。

米国はウクライナの重要鉱物資源の50%の所有権を取得することを提案。ゼレンスキー氏は米国の協定案にはウクライナが求める安全保障条項が盛り込まれておらず国益にならないと指摘した。ウクライナ政府は先週、重要鉱物資源を巡る協定の修正案を米側に送った。

アナドル通信によると、18日にトルコのアンカラでエルドアン大統領と会談したゼレンスキー大統領は「私は『この文書は完成型ではなく、われわれは署名するつもりはない。あなた方はこの文書について作業を続けてほしい』と言った」と一部トルコメディアに語った。ウクライナの鉱物資源への投資を歓迎するとしながらも、相応の見返りが必要とし、単に資源の供給国にはなりたくないと述べた。

18日、サウジアラビアの首都リヤドではウクライナ停戦について米国とロシアの高官がウクライナ抜きで協議した。

アナドル通信によると、ゼレンスキー氏は、ウクライナは米政府の支持を受けていると信じているとしながらも、トランプ大統領のさらなる後ろ盾を得たいとした。

「(米国が)プーチンを政治的孤立から解放したとわれわれは見ているが、それは彼ら自身の決断だ。しかし『これが戦争を終わらせるためのわれわれの計画だ』と言われると、われわれには疑問が生じる。われわれはどこにいるのか。われわれは交渉のテーブルのどこにいるのか。この戦争はウクライナ国内で起こっている」と指摘。

「もしプーチンが戦争に戻ることを望むのなら、それを阻止できる人間が交渉のテーブルにつくべきだ。そして彼らは、単なる約束ではなく、現実的で具体的な安全保障をわれわれに提供できなければならない。われわれはそういう対話の用意がある」と述べた。  

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米中閣僚貿易協議で「枠組み」到達とベセント氏、首脳

ワールド

トランプ氏がアジア歴訪開始、タイ・カンボジア和平調

ワールド

中国で「台湾光復」記念式典、共産党幹部が統一訴え

ビジネス

注目企業の決算やFOMCなど材料目白押し=今週の米
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
2025年10月28日号(10/21発売)

高齢者医療専門家の和田秀樹医師が説く――脳の健康を保ち、認知症を予防する日々の行動と心がけ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 2
    中国レアアース輸出規制強化...代替調達先に浮上した国は?
  • 3
    熊本、東京、千葉...で相次ぐ懸念 「土地の買収=水の支配」の日本で起こっていること
  • 4
    「信じられない...」レストランで泣いている女性の元…
  • 5
    メーガン妃の「お尻」に手を伸ばすヘンリー王子、注…
  • 6
    1700年続く発酵の知恵...秋バテに効く「あの飲み物」…
  • 7
    「平均47秒」ヒトの集中力は過去20年で半減以下にな…
  • 8
    【テイラー・スウィフト】薄着なのに...黒タンクトッ…
  • 9
    シンガポール、南シナ海の防衛強化へ自国建造の多任…
  • 10
    超大物俳優、地下鉄移動も「完璧な溶け込み具合」...…
  • 1
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 2
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 3
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 4
    中国レアアース輸出規制強化...代替調達先に浮上した…
  • 5
    超大物俳優、地下鉄移動も「完璧な溶け込み具合」...…
  • 6
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 7
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 8
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 9
    【2025年最新版】世界航空戦力TOP3...アメリカ・ロシ…
  • 10
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 1
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 2
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 9
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中