ロシアで「ユーチューブ」の通信速度大幅ダウン、言論の自由に影
ロシアのインターネット監視サービスは8日、米アルファベット傘下のグーグルが運営する動画共有サイト「ユーチューブ」の通信速度が大幅に低下したと発表した。2022年2月撮影(2024年 ロイター/Dado Ruvic)
[ロンドン 8日 ロイター] - ロシアのインターネット監視サービスは8日、米アルファベット傘下のグーグルが運営する動画共有サイト「ユーチューブ」の通信速度が大幅に低下したと発表した。
ロシアの複数の議員らは、2022年のウクライナ侵攻以来、グーグルがロシア国内の設備をアップグレードしなかったことが、7月中旬から始まった速度低下の原因だと主張。一方、グーグルと技術専門家らは、これが事実ではないと反論している。
ロシア政府がロシア語の独立系メディアに対する弾圧を強める中、ユーチューブはオンライン上の表現の自由の場とされてきた。メディアスコープによると、ロシアでは5000万人以上が毎日ユーチューブにアクセスする。そのためユーチューブをブロックすることは、オンライン上の言論の自由に悪影響を及ぼすだけでなく、ロシアの全体的なインターネット接続や何千人ものコンテンツ制作者の生活を脅かす可能性があると専門家らは指摘する。
9万3000人のユーチューブ登録者を抱える政治学者のボリス・パストゥホフ氏は、特定の地域ではユーチューブへの接続が全体的に途絶えたり、数日間にわたって90%もスローダウンしたりしたと説明。「これはサーバーの老朽化だけでは説明できない」と述べた。
さらに、ロシアが定期的にブロッキング手法に調整を加えていることを示唆しているとし、「サーバー障害があったとしても、サービス停止のごく一部にしか影響しないはずだ」と指摘した。