ニュース速報

ワールド

米ロ、ウクライナ和平交渉に無関心と互いに非難 国連安保理

2022年12月07日(水)06時10分

ウクライナでの戦争終結に向け国連で停戦と外交を求める声が高まる中、米国とロシアは6日、和平交渉に関心がないとして互いに非難した。4月3日撮影(2022年 ロイター/Pavel Klimov/File Photo)

[国連 6日 ロイター] - ウクライナでの戦争終結に向け国連で停戦と外交を求める声が高まる中、米国とロシアは6日、和平交渉に関心がないとして互いに非難した。

ロシアのネベンジャ国連大使は、ウクライナの人道的状況に関する国連安全保障理事会の会合で、ロシアは国連加盟国の大多数から外交的解決に関心があると指摘されたとし、「われわれはこれに非常に真剣に対応している。交渉に応じる意思を確認した」と表明。ただ、交渉の目的は「特別軍事作戦の開始を余儀なくされた根本的原因の根絶」とした。

ウクライナのキスリツァ国連大使は「ウクライナは他のどの国よりも平和を必要とし望んでいる。侵略されたのはウクライナの領土だ」と強調。「和平に向けた取り組みに抵抗しているのは侵略者ではなく被害者だとロシアが説得しようとするたびにこのことを留意してほしい」と訴えた。

ネベンジャ国連大使は、西側諸国はウクライナを巡る外交的解決に関心がなく、その代わりにキーウ(キエフ)への武器供与を拡大していると非難。「今見ているのは西側諸国によるロシアへの継続的な戦争だ。これはわれわれにとって特別軍事作戦の目的を継続する以外の選択肢を残さないものだ」とした。

<純粋な関心なし>

マーティン・グリフィス国連事務次長(人道問題担当)は、ウクライナのエネルギーインフラに対するロシアの攻撃によって、数百万人が暖房、電気、水道を利用できず、ロシアのウクライナ侵攻による人道危機を悪化させていると指摘した。

米国のリサ・カーティ国連次席大使は「ウクライナのインフラに対するプーチン大統領の攻撃激化は、プーチン氏が交渉や有意義な外交に全く関心がないことを示している」と指摘。「代わりに、プーチン氏はウクライナの民間人を爆撃し、凍えさせ、服従させることによって、ウクライナの戦意を喪失させようとしている」と述べた。

ロイター
Copyright (C) 2022 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

小泉防衛相、中国軍のレーダー照射を説明 豪国防相「

ワールド

米安保戦略、ロシアを「直接的な脅威」とせず クレム

ワールド

中国海軍、日本の主張は「事実と矛盾」 レーダー照射

ワールド

豪国防相と東シナ海や南シナ海について深刻な懸念共有
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺るがす「ブラックウィドウ」とは?
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 6
    「搭乗禁止にすべき」 後ろの席の乗客が行った「あり…
  • 7
    仕事が捗る「充電の選び方」──Anker Primeの充電器、…
  • 8
    ビジネスの成功だけでなく、他者への支援を...パート…
  • 9
    『羅生門』『七人の侍』『用心棒』――黒澤明はどれだ…
  • 10
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺るがす「ブラックウィドウ」とは?
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 6
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 7
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 8
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 9
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 10
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 8
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中