イーライリリー、オランダに30億ドル投じて新経口減量薬増産へ

　米製薬大手イーライリリーは３日、開発中の経口肥満症治療薬「オルフォルグリプロン」とその他の経口薬の生産能力拡大に向け、オランダに３０億ドルを投じて新生産工場を建設する計画を発表した。同社ロゴの資料写真(２０２５年　ロイター/Mike Blake)

Mariam Sunny

[３日 ロイター] - 米製薬大手イーライリリーは３日、開発中の経口肥満症治療薬「オルフォルグリプロン」とその他の経口薬の生産能力拡大に向け、オランダに３０億ドルを投じて新生産工場を建設する計画を発表した。

同社はオルフォルグリプロンの生産拡大にここ数カ月で数十億ドルを投じている。

デンマーク同業ノボノルディスクと競合するイーライリリーは、この錠剤を市場に投入し、急成長する肥満症薬市場での主導権を固めようとしている。

イーライリリーは、オランダの施設は世界のサプライチェーン（供給網）を強化し、主に心代謝性疾患、肥満症、神経科学、がん治療、免疫分野を中心に拡大する経口薬群の生産能力を増強すると説明した。

デービッド・リックス最高経営責任者（ＣＥＯ）は会見で、新工場にはペーパーレス製造やＡＩ（人工知能）駆動型リアルタイム分析などの先進技術を導入して「世界中の人々に、より高品質で信頼性の高い医薬品を迅速に届ける」と強調した。

リックス氏はオランダを建設地として選択した理由として、欧州医薬品庁（ＥＭＡ）に近いことと、熟練した多言語対応の人材確保が可能な点を挙げた。

新工場は熟練の製造業職で５００人と建設関連で約１５００人の雇用を創出する見通しで、着工は来年を予定している。