ニュース速報
ビジネス

マスク氏、インド衛星通信帯域巡りリライアンス総帥と対立

2024年10月15日(火)18時38分

FILE PHOTO: Elon Musk, Chief Executive Officer of SpaceX and Tesla and owner of X looks on during the Milken Conference 2024 Global Conference Sessions at The Beverly Hilton in Beverly Hills, California, U.S., May 6, 2024. REUTERS/David Swanson/File Photo

[ニューデリー 15日 ロイター] - インドの衛星通信周波数帯域を巡り、米実業家のイーロン・マスク氏と、リライアンスグループを率いるインドの富豪ムケシュ・アンバニ氏がつばぜり合いを繰り広げている。宇宙企業スペースXの衛星通信事業「スターリンク」のインド展開を目指すマスク氏は、周波数帯域は政府が割り当てるべきと主張。これに対し、アンバニ氏側は公平を期すため入札で決めるべきだと当局に陳情、マスク氏は「前例がない」と反発した。

対立の原因となっているのは、政府による周波数帯域割り当てに道を開いたと一部から指摘されている同国の関連法の解釈。スターリンクやアマゾンの「カイパーベルト」といった海外勢は国際的慣例だとして政府の割り当てを主張。リライアンス傘下のジオは公平な競争を確保するため入札方式を求めていた。

ロイターは13日、リライアンスが書簡で、家庭用衛星ブロードバンド通信の周波数帯域を入札方式でなく政府が割り当てる方式にすると決定したのは誤りだと主張したと報じた。書簡は、家庭用衛星ブロードバンド通信に関する規定はなく、通信規制当局が根拠がないまま政府による割り当てを決めたなどとしている。

この報道について、マスク氏は、リライアンスのロビー活動で入札となれば「前例がない」と14日にXに投稿。「この周波数帯は、前から国際電気通信連合(ITU)によって人工衛星用の共有周波数帯に指定されている」と指摘した。

インドはITUのメンバーで衛星通信周波数帯を規制する条約に署名している。衛星通信周波数帯は「限られた天然資源 」であり、割り当ては「合理的、効率的、経済的に」行われなければならないとしている。インド政府筋は13日にロイターに、規制当局が正当な手続きに従って協議を行っていると述べた。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

小泉防衛相、中国軍のレーダー照射を説明 豪国防相「

ワールド

米安保戦略、ロシアを「直接的な脅威」とせず クレム

ワールド

中国海軍、日本の主張は「事実と矛盾」 レーダー照射

ワールド

豪国防相と東シナ海や南シナ海について深刻な懸念共有
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 2
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 3
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」が追いつかなくなっている状態とは?
  • 4
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 5
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 6
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 7
    『ブレイキング・バッド』のスピンオフ映画『エルカ…
  • 8
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 9
    仕事が捗る「充電の選び方」──Anker Primeの充電器、…
  • 10
    ビジネスの成功だけでなく、他者への支援を...パート…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺るがす「ブラックウィドウ」とは?
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 6
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 7
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 8
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 9
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 10
    日本酒の蔵元として初の快挙...スコッチの改革に寄与…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中