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中国輸出企業、人民元急騰でもドル保有を継続

2024年08月08日(木)18時00分

8月8日、中国の銀行関係者によると、人民元が今週急騰したにもかかわらず、国内の輸出企業は手持ちのドルを元に替えずに保有し続けたいと考えている。写真は米ドル紙幣。2022年7月撮影(2024年 ロイター/Dado Ruvic)

[上海 8日 ロイター] - 中国の銀行関係者によると、人民元が今週急騰したにもかかわらず、国内の輸出企業は手持ちのドルを元に替えずに保有し続けたいと考えている。

人民元はドルに対して2%上昇し、今年これまでの下落の大部分を取り戻した。これはより有利な為替レートを見込んでいた輸出業者が交換の好機を逃したことを意味する。

ロイターが今週、商業銀行十数行を対象に行った調査によると、2行で外為決済がわずかに増加した。他の銀行は顧客がドル保有に関心を示していると回答した。

ナティクシスのアジア太平洋担当シニアエコノミスト、ゲーリー・ウン氏は「中国の経済と金融市場が困難な状況にある中、輸出企業が外貨を人民元に交換するインセンティブは限られる」と指摘した。

最新のデータによると、外貨収入が人民元に換算される割合を示す市場の為替決済比率は、6月に58.1%と約2年半ぶりの低水準となった。

ウン氏はドル/人民元が7.0元に達し、「さらに元高が進むという道筋が明確になれば」、ドルを元に替える意欲が高まるかもしれないと述べた。

人民元は今週、1ドル=7.1120元と、7カ月ぶりの高値へ上昇した。7月下旬には7.2776元と、8カ月ぶりの安値を付けていた。

INGの中国担当チーフエコノミスト、リン・ソン氏は「(米中の)金利がより均衡した場合にのみ、輸出業者は手持ちのドルを人民元に替えるだろう。それは米連邦準備理事会(FRB)の利下げが十分に進んでからだろう」と語った。

ロイター
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