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ユーロ、ECB総裁会見後の下げから戻す 原油反発=NY市場

2016年01月22日(金)07時53分

 1月21日、終盤のニューヨーク外為市場では、ユーロが対ドルで上昇した。フランクフルトで19日撮影(2016年 ロイター/Kai Pfaffenbach)

[ニューヨーク 21日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為市場では、ユーロが対ドルで上昇した。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が3月10日の理事会で追加緩和策を打ち出す可能性を示唆したことでユーロは売られたが、引けにかけて下落分を取り戻した。

原油相場が回復し資源国通貨が対ドルで上昇、ドルは主要通貨に対してほぼ横ばいとなっている。

ユーロ/ドルはドラギ総裁会見後、1.08ドルの大台を割り込み約2週間ぶり安値を付けたが、終盤の取引では0.1%高の水準となっている。

前回開かれた昨年12月の理事会で打ち出された緩和策は、量的緩和策の増額には踏み切らず市場の期待に届かなかったことで、ユーロ/ドルは1日の上げ幅としては2009年3月以来の大きさとなる3.1%を記録した。その記憶が残っていたため、ユーロの下げは一時的なものにとどまった。

FXアナリティックスのパートナー、デービッド・ギルモア氏は「市場参加者は、「『ちょっと待て。昨年12月3日の理事会を思い起こそう』と言っていたのではないか。総裁は今回と同様の約束をしたが、目いっぱいユーロの売り持ちとドルの買い持ちになっていた市場には期待外れだった」と述べた。

米商品先物取引委員会(CFTC)のデータに基づいたロイターの推定値では、ECBの政策発表前の週に市場は440億ドル超のドルの買い持ちポジションを持っており、その大きさはここ8カ月で最大だった。

前出のギルモア氏は「ドラギ総裁についてはいま市場では信用問題となっている。多くのヘッジファンドが年間を通して(ユーロ安の)一方向のポジションにかけていたが、やられてしまった」と付け加えた。

終盤のドル/円は0.45%高で、117円台で堅調に推移している。前日には2015年1月以来の安値となる115.97円まで下落していた。

この日の原油相場は回復。13年ぶり安値圏から反発し、資源国通貨の豪ドルやカナダドルが対ドルで上昇した。豪ドル/米ドルとドル/カナダドルは終盤それぞれ、1.4%高の0.7003ドルと1.5%安の1.4276カナダドルで取引されている。

ドルの主要6通貨に対するドル指数<.DXY>は、0.005%安の99.025とほぼ横ばい。ドラギ総裁発言後は、12月3日以来の高値となる99.799を付ける場面があった。

*内容を追加して再送します。

ロイター
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