ニュース速報

ビジネス

天津爆発でトヨタ・富士重・マツダに被害、完成車損傷も

2015年08月14日(金)18時02分

 8月14日、天津の爆発事故で、トヨタや富士重、マツダの完成車に被害が出ている。写真は爆発に近い地域で13日に撮影された多くの焼けた車(2015年 ロイター/Damir Sagolj)

[東京 14日 ロイター] - 中国・天津市の港湾地区で12日夜に起きた化学物質倉庫での大規模爆発で、一部の日系自動車メーカーにも被害が広がっている。トヨタ自動車<7203.T>の現地従業員が負傷したほか、富士重工業<7270.T>やマツダ<7261.T>の完成車の一部に傷がつくなどの影響が出ている。各社とも詳細な被害状況の確認を続けている。

トヨタの組み立て工場と開発拠点は、激しい爆発のあった場所から約3キロ圏内、関連の物流施設も約2キロ圏内にある。同社広報によると、現地工場は8月9日から16日まで夏期休業中で稼働しておらず、多くの従業員が休みだったが、爆発現場の近くに住む工場の従業員数人が負傷したほか、販売店の従業員2人がガラスの破片で切り傷などを負った。

現地工場を17日以降稼働させるかどうかは「道路などの封鎖状況や部品会社などの影響をみて決める」(トヨタ広報部)という。一時保管の完成車も爆発の影響を受けたようだが、具体的な被害や生産に与える影響など、詳しい状況の把握には時間がかかるとしている。

富士重では、爆発現場から約2キロ離れた車の一時保管場所で、日本から輸出した完成車百数十台に被害が及んだ。車体に傷がついたりするなどの「なんらかの被害は出たようだが、被害の程度は現時点ではわかっていない」(富士重広報)。人的被害や販売店、事務所などに影響はないという。

マツダも日本から輸出した新車のミニバン「マツダ5(日本名プレマシー)」55台に塗装がはがれたり、傷がついたりしたが、いずれも「被害の程度は軽微」(マツダ広報)という。人的被害は出ていないが、販売店1店でガラスが割れるなどの被害があり、13日は営業を中止。14日は顧客対応のため人員を縮小して営業を再開したが、今後は復旧状況をみながら判断するとしている。

*内容を追加します。

(白木真紀)

ロイター
Copyright (C) 2015 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ペロシ元下院議長の夫襲撃、被告に禁錮30年

ビジネス

NY外為市場=ドル小幅安、FRBは利下げ時期巡り慎

ワールド

バイデン氏のガザ危機対応、民主党有権者の約半数が「

ワールド

米財務長官、ロシア凍結資産活用の前倒し提起へ 来週
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 2

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた異常」...「極めて重要な発見」とは?

  • 3

    存在するはずのない系外惑星「ハルラ」をめぐる謎、さらに深まる

  • 4

    「円安を憂う声」は早晩消えていく

  • 5

    中国のホテルで「麻酔」を打たれ、体を「ギプスで固…

  • 6

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 7

    無名コメディアンによる狂気ドラマ『私のトナカイち…

  • 8

    他人から非難された...そんな時「釈迦牟尼の出した答…

  • 9

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバ…

  • 10

    英供与車両から巨大な黒煙...ロシアのドローンが「貴…

  • 1

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 2

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 3

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 4

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 5

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 6

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 7

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋…

  • 8

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 9

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々…

  • 10

    プーチン5期目はデフォルト前夜?......ロシアの歴史…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中