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トラベル欲しいのは人生が一変するような体験 パートナーと過ごすよりも「女性は一人旅」
Going It Alone
旅は自分の限界を破るチャンスにもなる LZF/ISTOCKPHOTO
今は亡き女優のメイ・ウエストはかつて言った。「いい娘は天国に行ける。悪い娘はどこへでも行ける」。おまけに、どこへでも1人で行きたがるようだ。
調査会社ワンポールと外貨両替専門店トラベレックスが3月に発表した調査で、旅行者の22%が単身旅行を好むことが分かった。このトレンドの中心が、経済的に安定した30歳以上の女性。別の調査でもアメリカ人女性の65%が、休暇を取っても配偶者や恋人と過ごしていない。
「男性よりも女性の単身旅行が多いことは、私たちも実感している」と、旅行会社ワイルド・フロンティアーズのアンドリア・ロスは本誌に語る。「単身旅行の顧客の約65%は女性だ。30代〜80代と幅広いが、特に40、50代が多い」。女性の単身旅行はここ数年、前年比15%ほど増え続けているという。
彼らが求めているのは、欧米にはないような刺激的な旅だ。女性たちは異国情緒のより豊かな土地を旅しようとする。「特にインドは人気。北アフリカや中東もそう」と、ロスは言う。
【参考記事】海外旅行格差から見える日本社会の深い分断
30代〜40代の単身旅行者を対象にした旅行会社フラッシュパックの共同創業者リー・トンプソンは、アメリカ人旅行者の多くが「カルペ・ディエム(今日を楽しめ)」という考え方でいると話す。「人生が一変するような最高の旅を求めている。(カリブ海の)カンクンのビーチで2週間のんびりするのではなく、大冒険で休暇を目いっぱい楽しみたいと思っている。あまり知られていない場所で、地元の文化や素晴らしい自然を体験できるような旅だ」
人気なのがアフリカだ。野生動物の楽園であるタンザニア・セレンゲティ国立公園の夜明けの散歩から、南アフリカ・ケープ半島でのスタンドアップパドルボード、モロッコ・マラケシュのスーク(市場)巡りまで何でもできる。
自分だけの旅なら、そうした体験に思い切り没頭できる。「自分の限界を破り、安全地帯から飛び出すいい機会になる」とトンプソンは言う。
ワイルド・フロンティアーズは旅行先の国の教育などを支援しており、ロスによれば多くの女性単身旅行者はこの姿勢に共感して同社を選んでいる。出発する前から、その旅に意義を求めているのかもしれない。
【参考記事】日本人は旅行が下手:日本人の「安全性」に対する意識はどこかおかしい
[2019年4月 2日号掲載]