最新記事
アメリカ

同盟国まで波及した「新・トランプ外交」――「強さが支配する世界」に直面するヨーロッパの本音

RESETTING THE WORLD

2026年2月5日(木)19時32分
トム・オコナー (本誌米国版外交担当副編集長)
2期目に入ったトランプ米大統領

トランプは2期目に入り急に拡張主義に傾き始めた ALEX WONG/GETTY IMAGES

<トランプの発言は「脅し」ではない。グリーンランドをめぐる応酬が示すのは、ルールより力が優先される「強い国が決める論理」への回帰だ>

イラクの独裁者サダム・フセインが、米軍の「衝撃と畏怖」作戦により権力の座を追われたのは2003年4月のこと。

実際に身柄が拘束されたのは数カ月後だったが、その時の取り調べでフセインは、なぜジョージ・W・ブッシュ米大統領(当時)の最後通牒を無視して米軍の侵攻を招いたのかと問われ、「本当にやるとは思わなかったから」と答えたとされる。


今年1月にベネズエラ大統領の座を追われたニコラス・マドゥロも、同じような心理だったことは想像に難くない。

米陸軍の特殊部隊デルタ・フォースは、わずか2時間余りの作戦で、ベネズエラの首都カラカスにあるマドゥロの自宅からマドゥロ夫妻をアメリカに連行した。

マドゥロはその数日前、数百万の民兵を動員したことや、ドナルド・トランプ米大統領と交渉したこと(真偽は不明)を自慢して、カラカスの路上で踊っている姿が報じられていた。

「ニコラス・マドゥロは助かるチャンスをふいにした」と、ピート・ヘグセス米国防長官は作戦直後の記者会見で語った。

事件
ニューズウィーク日本版メンバーシップ登録
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

中国外相、キューバ外相と会談 国家主権と安全保障を

ビジネス

マレーシア、今年の成長予測上げも AIブームが後押

ビジネス

英建設業PMI、1月は46.4に上昇 昨年5月以来

ワールド

ドイツ企業、政府の経済政策に低評価=IFO調査
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプの帝国
特集:トランプの帝国
2026年2月10日号(2/ 3発売)

南北アメリカの完全支配を狙うトランプの戦略は中国を利し、世界の経済勢力図を完全に塗り替える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 2
    致死率は最大75%のニパウイルスが、世界規模で感染拡大する可能性は? 感染症の専門家の見解
  • 3
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新世論調査が示すトランプ政権への評価とは
  • 4
    エプスタインが政権中枢の情報をプーチンに流してい…
  • 5
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近した…
  • 6
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れ…
  • 7
    ユキヒョウと自撮りの女性、顔をかまれ激しく襲われ…
  • 8
    トランプ不信から中国に接近した欧州外交の誤算
  • 9
    アジアから消えるアメリカ...中国の威圧に沈黙し、同…
  • 10
    「右足全体が食われた」...突如ビーチに現れたサメが…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「副産物」で建設業界のあの問題を解決
  • 4
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から…
  • 5
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵…
  • 6
    致死率は最大75%のニパウイルスが、世界規模で感染…
  • 7
    「出禁」も覚悟? ディズニーランドで緊急停止した乗…
  • 8
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 9
    町長を「バズーカで攻撃」フィリピンで暗殺未遂、大…
  • 10
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れ…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 5
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 6
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 7
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 8
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 9
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 10
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中