最新記事
中印関係

中国がインドに仕掛ける「水戦争」とは? 中国のダムが下流に住む数百万人を殺すかも

Water War Looms for Asia's Top Nuclear Powers

2025年8月28日(木)12時50分
アミラ・エルフェッキ
ブラマプトラ川(ヤルンツァンポ川)

中国は世界一巨大なダムを造ろうとしている(写真は2006年、湖北省に三峡ダムを建設している際のもの) Reinhard Krause-REUTERS

<中国は国際河川のブラマプトラ川に巨大ダムを建設している。インドは何度も懸念を表明しているが、中国はどこ吹く風だ>

中国はブラマプトラ川(中国名ヤルンツァンポ川)に世界最大の水力発電ダムを建設する計画を進めている。

これによりインド北東部への水の流れが大幅に減少する恐れがあると、インドが警鐘を鳴らしている。ロイター通信が報じた。

本誌は、両国の水資源関連の省庁にコメントを求めている。


ブラマプトラ川は中国とインドの間で領有権が争われているインド北東部のアルナチャルプラデシュ州を流れている。その川に建設されている巨大ダム計画は、隣接するこの2つの核保有国の対立を深刻化させている。

インド側の懸念は、中国がダムを建設することで、川の支配を外交的な圧力手段として利用するのではないかということだ。

建設中の巨大ダムは、中国の再生可能エネルギーの能力を拡大するものであり、習近平(シー・チンピン)国家主席が掲げる「2060年カーボンニュートラル目標」に沿ったもの(なお、中国は依然として世界最大の温室効果ガス排出国でもある)。だがこの建設が生物多様性の豊かな川の流域や、インドとバングラデシュの数百万人の生活に及ぼす影響をめぐって、環境的、地政学的な懸念を引き起こしている。

日本企業
変わる「JBIC」...2つの「欧州ファンド」で、日本のスタートアップ支援に乗り出した理由
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

トランプ米大統領、次期FRB議長にウォーシュ元理事

ワールド

シリア暫定政府、クルド勢力と停戦合意 統合プロセス

ビジネス

英住宅ローン承認件数、12月は24年6月以来の低水

ビジネス

ユーロ圏GDP、第4四半期は前期比0.3%増 予想
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市 vs 中国
特集:高市 vs 中国
2026年2月 3日号(1/27発売)

台湾発言に手を緩めない習近平と静観のトランプ。激動の東アジアを生き抜く日本の戦略とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「副産物」で建設業界のあの問題を解決
  • 3
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵士供給に悩むロシアが行う「外道行為」の実態
  • 4
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 5
    町長を「バズーカで攻撃」フィリピンで暗殺未遂、大…
  • 6
    秋田県は生徒の学力が全国トップクラスなのに、1キロ…
  • 7
    パキスタン戦闘機「JF17」に輸出交渉が相次ぐ? 200…
  • 8
    日本経済を中国市場から切り離すべきなのか
  • 9
    日本はすでに世界第4位の移民受け入れ国...実は開放…
  • 10
    配達ライダーを飲み込んだ深さ20メートルの穴 日本…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 3
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡張に新たな対抗手段
  • 4
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 5
    データが示す、中国の「絶望的な」人口動態...現実味…
  • 6
    ラブロフ、グリーンランドは‌デンマーク​の「自然な…
  • 7
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「…
  • 8
    一人っ子政策後も止まらない人口減少...中国少子化は…
  • 9
    スペースXの宇宙飛行士の帰還が健康問題で前倒しに..…
  • 10
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 6
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 7
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 8
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
  • 9
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 10
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中