最新記事
FRB

FRB議長解任の可能性に戦々恐々...確信薄れ動揺する市場、「万が一」を織り込む

2025年4月22日(火)21時28分
2017年11月、ホワイトハウスで記者会見するトランプ氏とパウエル氏

4月22日、 トランプ米大統領が連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長の解任を試みた場合、FRBのインフレ抑制能力や独立性に対する信頼が損なわれ、資産価格に大きな打撃が及ぶとの懸念が強まっている。写真は2017年11月、ホワイトハウスで記者会見するトランプ氏とパウエル氏(2025年 ロイター/Carlos Barria)

トランプ米大統領が連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長の解任を試みた場合、FRBのインフレ抑制能力や独立性に対する信頼が損なわれ、資産価格に大きな打撃が及ぶとの懸念が強まっている。

パウエル氏が解任されれば、すでに弱含んでいるドルが一段と売られ、株価は下落し、債券利回りは上昇する可能性があると市場関係者は予想している。

CVアドバイザーズのエリオット・ドーンブッシュ最高投資責任者(CIO)は、「市場はほぼ間違いなくインフレが加速する兆候と受け止め、長期金利の上昇を招き、世界の準備通貨としてのドルの地位を損なう恐れがある」との見方を示した。


 

こうした懸念はすでに市場で表面化しており、21日にはドルが3年ぶりの安値を更新し、指標となる米国債利回りが上昇した。S&P500種株価指数も下落し、2月の高値を約16%下回る水準となった。

パウエル氏の解任は投資家が長期債保有に対して求める追加利回りである「タームプレミアム」への上昇圧力を強める可能性がある。

パウエル氏の議長としての任期は2026年5月までだが、トランプ氏は先週、ソーシャルメディアへの投稿で、同氏をすぐにでも解任すべきとの考えを示した。米国家経済会議(NEC)のハセット委員長は18日、トランプ氏と側近らがパウエル氏を解任できるかどうか検討していると明らかにした。

食と健康
消費者も販売員も健康に...「安全で美味しい」冷凍食品を届け続けて半世紀、その歩みと「オンリーワンの強み」
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

FRBの金融政策「適切」、労働市場巡るリスクを警告

ビジネス

FRBの独立性に対する脅威は「非常に深刻」=英中銀

ビジネス

英財務相、11月26日に年次予算発表 財政を「厳し

ワールド

金総書記、韓国国会議長と握手 中国の抗日戦勝記念式
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:豪ワーホリ残酷物語
特集:豪ワーホリ残酷物語
2025年9月 9日号(9/ 2発売)

円安の日本から「出稼ぎ」に行く時代──オーストラリアで搾取される若者たちの実態は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニングをする女性、異変を感じ、背後に「見えたモノ」にSNS震撼
  • 2
    「見せびらかし...」ベッカム長男夫妻、家族とのヨットバカンスに不参加も「価格5倍」の豪華ヨットで2日後同じ寄港地に
  • 3
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体」をつくる4つの食事ポイント
  • 4
    Z世代の幸福度は、実はとても低い...国際研究が彼ら…
  • 5
    【動画あり】9月初旬に複数の小惑星が地球に接近...…
  • 6
    1日「5分」の習慣が「10年」先のあなたを守る――「動…
  • 7
    【クイズ】世界で2番目に「農産物の輸出額」が多い「…
  • 8
    上から下まで何も隠さず、全身「横から丸見え」...シ…
  • 9
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 10
    「よく眠る人が長生き」は本当なのか?...「睡眠障害…
  • 1
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が下がった「意外な理由」
  • 2
    1日「5分」の習慣が「10年」先のあなたを守る――「動ける体」をつくる、エキセントリック運動【note限定公開記事】
  • 3
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体」をつくる4つの食事ポイント
  • 4
    25年以内に「がん」を上回る死因に...「スーパーバグ…
  • 5
    豊かさに溺れ、非生産的で野心のない国へ...「世界が…
  • 6
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 7
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
  • 8
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害…
  • 9
    首を制する者が、筋トレを制す...見た目もパフォーマ…
  • 10
    上から下まで何も隠さず、全身「横から丸見え」...シ…
  • 1
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大ベビー」の姿にSNS震撼「ほぼ幼児では?」
  • 4
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 5
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果…
  • 6
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 7
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 8
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 9
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 10
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中