最新記事
韓国

ユン大統領罷免を言い渡した憲法裁裁判官は「平均的国民から抜け出さない」と誓い司法人生を終えた

2025年4月18日(金)20時05分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
ムン・ヒョンベ憲法裁判所所長権限代行

4月4日、ユン大統領罷免を言い渡した瞬間のムン・ヒョンベ憲法裁判所所長権限代行 JTBC / YouTube

<憲法裁裁判官の任期を18日に終えたムン・ヒョンベ所長代行。その知られざる素顔と「国民統合」への熱い思い>

去る4月4日、韓国の憲法裁判所はムン・ヒョンベ(文炯培)所長権限代行の主導のもと、憲法裁判官8人全員一致でユン・ソンニョル(尹錫悦)前大統領を罷免するという歴史的な決定を下した。ムン代行は「主文。被請求人・大統領尹錫悦を罷免する」という言葉で罷免決定を朗読した。世界的に注目を集めた審判をとりまとめたこのムン代行は4月18日、任期を終えて憲法裁判所を退官した。YTN、JTBC、ニュース1など韓国メディアが報じた。

罷免決定の後、韓国のネットではムン・ヒョンベ憲法裁所長権限代行の「財産が少ない理由」が話題を集めた。これは2019年4月、憲法裁判官の任命に際して行われた国会の人事聴聞会で発言を取り上げたものだ。当時、聴聞会では他の憲法裁判官の平均財産が約20億ウォンであったのに対し、ムン候補者の財産は4億ウォン弱であると報告された。共に民主党のペク・ヘリョン議員が「27年間裁判官をしたのに、なぜそれほど少ないのか」と質問すると、ムン候補者は「結婚する時に誓ったことがある。平均的な国民の人生から抜け出してはならないと思った」と答えた。

彼は韓国の世帯当たり平均財産が約3億ウォンであり、自身の財産がそれを少し超えたことに「反省している」と述べ、聴聞会場の議員たちから笑いと尊敬の言葉を引き出した。さらに彼は公職生活が終わっても営利目的の弁護士活動をしないという誓いも明らかにした。

試写会
『おばあちゃんと僕の約束』トークイベント付き特別試写会 5組10名様ご招待
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、「ゴールデン・ドーム」詳細発表か 東部

ワールド

マスク氏、政治献金削減へ テスラCEOあと5年継続

ワールド

中国、WHOに今後5年間で5億ドル追加拠出へ 米に

ワールド

トランプ氏「対応を検討中」、EU・英の対ロシア追加
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:関税の歴史学
特集:関税の歴史学
2025年5月27日号(5/20発売)

アメリカ史が語る「関税と恐慌」の連鎖反応。歴史の教訓にトランプと世界が学ぶとき

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    コストコが「あの商品」に販売制限...消費者が殺到した理由とは?
  • 3
    【クイズ】世界で1番「太陽光発電」を導入している国は?
  • 4
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 5
    【裏切りの結婚式前夜】ハワイにひとりで飛んだ花嫁.…
  • 6
    「空腹」こそが「未来の医療」になる時代へ...「ファ…
  • 7
    中ロが触手を伸ばす米領アリューシャン列島で「次の…
  • 8
    小売最大手ウォルマートの「関税値上げ」表明にトラ…
  • 9
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山…
  • 10
    トランプは日本を簡単な交渉相手だと思っているが...…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 3
    ワニの囲いに侵入した男性...「猛攻」を受け「絶叫」する映像が拡散
  • 4
    中ロが触手を伸ばす米領アリューシャン列島で「次の…
  • 5
    「運動音痴の夫」を笑う面白動画のはずが...映像内に…
  • 6
    コストコが「あの商品」に販売制限...消費者が殺到し…
  • 7
    【クイズ】世界で1番「太陽光発電」を導入している国…
  • 8
    ヤクザ専門ライターが50代でピアノを始めた結果...習…
  • 9
    トランプ「薬価引き下げ」大統領令でも、なぜか製薬…
  • 10
    サメによる「攻撃」増加の原因は「インフルエンサー…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山…
  • 5
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 6
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 7
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 8
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 9
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 10
    ワニの囲いに侵入した男性...「猛攻」を受け「絶叫」…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中