最新記事
通信インフラ

バルト海の海底ケーブル切断は中国船の破壊工作か

2024年11月25日(月)13時08分
シャノン・ティエジー(ディプロマット誌編集長)

伊鵬3は20日の時点でデンマーク海域に停泊中。同国海軍は監視活動を続けていることを確認した。報道によれば、伊鵬3に係官が乗船し、「スウェーデン、フィンランド、ドイツの当局者が乗組員の尋問のために到着するのを待っている」という。

今のところ中国側は多くを語っていない。この件について記者会見で質問された外務省の林剣(リン・チエン)報道官は、中国政府が「中国船舶に関連法規の厳守を求める」と述べた。また、「わが国はインフラの安全を重視する」とする一方、伊鵬3の航行権が尊重されることを期待すると強調した。


中国船がバルト海の海底ケーブル損傷に関与したのは今回が初めてではない。昨年10月に2本の海底ケーブルとフィンランドとスウェーデンをつなぐガスパイプラインが切断された際には、中国船籍のコンテナ船「新新北極熊」のいかりが原因だったことがその後の調査で判明。新新北極熊は当局の尋問を受けずに現場を離れ、ロシア経由で中国に戻った。

中国は独自調査の結果、新新北極熊に責任があると認めたが、偶発的な事故だと主張した。今回の件で伊鵬3の関与がはっきりすれば、このときの説明にもさらなる疑問の声が上がりそうだ。

試写会
『おばあちゃんと僕の約束』トークイベント付き特別試写会 5組10名様ご招待
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ氏への航空機贈呈、カタールが懸念一蹴

ワールド

援助トラック100台がガザ入りへ、国連がイスラエル

ビジネス

日銀が国債買い入れで意見聴取、一部メガバンクが減額

ビジネス

中国CATL、香港上場初日は16%高 景気懸念でも
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:関税の歴史学
特集:関税の歴史学
2025年5月27日号(5/20発売)

アメリカ史が語る「関税と恐慌」の連鎖反応。歴史の教訓にトランプと世界が学ぶとき

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 3
    【クイズ】世界で1番「太陽光発電」を導入している国は?
  • 4
    コストコが「あの商品」に販売制限...消費者が殺到し…
  • 5
    【裏切りの結婚式前夜】ハワイにひとりで飛んだ花嫁.…
  • 6
    中ロが触手を伸ばす米領アリューシャン列島で「次の…
  • 7
    実は別種だった...ユカタンで見つかった「新種ワニ」…
  • 8
    「運動音痴の夫」を笑う面白動画のはずが...映像内に…
  • 9
    ワニの囲いに侵入した男性...「猛攻」を受け「絶叫」…
  • 10
    日本人女性の「更年期症状」が軽いのはなぜか?...専…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 3
    ワニの囲いに侵入した男性...「猛攻」を受け「絶叫」する映像が拡散
  • 4
    カヤック中の女性がワニに襲われ死亡...現場動画に映…
  • 5
    母「iPhone買ったの!」→娘が見た「違和感の正体」に…
  • 6
    中ロが触手を伸ばす米領アリューシャン列島で「次の…
  • 7
    「運動音痴の夫」を笑う面白動画のはずが...映像内に…
  • 8
    トランプ「薬価引き下げ」大統領令でも、なぜか製薬…
  • 9
    あなたの下駄箱にも? 「高額転売」されている「一見…
  • 10
    コストコが「あの商品」に販売制限...消費者が殺到し…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山…
  • 5
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 6
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 7
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 8
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 9
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 10
    ワニの囲いに侵入した男性...「猛攻」を受け「絶叫」…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中