アルゼンチンの右派ポピュリスト次期大統領、ハビエル・ミレイが社会的対立に対処する2つの方法
次期大統領のミレイは混迷する経済と社会を立て直せるか MATIAS BAGLIETTOーREUTERS
<次期大統領が直面する経済と社会の問題はかつてなく大きい>
アルゼンチンの大統領選決選投票で、右派のポピュリスト、ハビエル・ミレイが予想外に快勝した。だが、国内経済の抜本的な改革を公約に掲げるこのリバタリアン経済学者の前途は厳しい。今年9月にはインフレ率が前年同月比138%上昇し、国民の40%以上が貧困にあえぐなか、次期大統領が直面する経済と社会の問題はかつてなく大きい。
現職のフェルナンデス大統領が就任した4年前、アルゼンチンは既に長期的な危機に陥っていた。インフレ率は55%に達し、国民の3分の1が貧困状態にあった。現政権はさらに大きな危機を引き起こし、公的債務の借り換えの必要性から高水準の赤字まで、多くの経済問題がこの国を克服不可能とみられる状況に追い込んでいる。
「こうした事態は長年の過ちが原因だ」と国際経済学者のマルセロ・エリソンドは言う。「この20年間に生じたのは、公共支出の大幅な拡大、個人、企業、社会組織への多額の補助金、国際的孤立主義と保護主義、マクロ経済の持続可能性の欠如だ」
こうした「過ち」が、暴走するインフレと4000億ドル超の公的債務を生み出した。
日々の買い物も著しく不安定だ。個人輸入業を営むレオ・ヘルーダは、「スーパーマーケットでは、価格が常に変動しているため表示されなくなり、買い物をする上での計画やお金の管理すらできなくなっている」と話す。
不確実な状況は多国籍企業の撤退も招いている。航空会社、スーパー、テクノロジー企業など20社以上が撤退し、何千人もが職を失った。
失業率は6.2%だが、雇用のほぼ半分は非公式セクターに属する。労働者の27%は保護も手当もない非公式な雇用で、22%が自営業だ。多くの労働者は、路上で食べ物を売ったり、「チャンガ」と呼ばれる日雇いの仕事をしている。
「5年前のアルゼンチン人は、将来について考えていた」と経済学者のフェルナンド・モイゲルは言う。「今日では、社会階層に関係なくそれができなくなっている」
最も弱い立場にある人々は、基本的な日用品を手に入れられず、影響はそれにとどまらない。子供の貧困率は56%に上る。アルゼンチン・カトリック大学の政治・国際関係学部教授で、貧困層の子供を支援する団体の幹部も務めるマリア・ソフィア・メイヒデは、「親が仕事を増やさなければならず、子供の活動への関与が減っているため、学校に行く子供が減少している」と指摘する。
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