最新記事

ロシア

プーチンの公式動画に「怪しい注射の痕」...やはり「がん治療中」? 憶測が再燃

Does Putin Have Cancer? Intravenous Marks On His Hand Spark Rumors

2022年10月28日(金)11時40分
ダニエル・オング
ウラジーミル・プーチン

Sputnik/Mikhail Metzel/Pool via REUTERS

<ロシア国防相が公開した動画に映るプーチンの手の甲には、静脈注射の痕のように見えるシミが。またもや「重病説」が再燃している>

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、やはり深刻な病気にかかっている──。最近公開されたロシアのプロパガンダ動画を見た人々の間で、そんな噂が再燃している。動画に映るプーチンの手に、静脈注射(IV)の注射痕のようなものがあったためだ。

■【動画】この手の甲のシミは注射痕なのか? 憶測を呼ぶプーチンの公式動画

問題の動画は、ロシア国防省が10月中旬に発表したもの。プーチンが複数の兵士を引き連れて、軍事演習を視察する姿を捉えている。ある場面で、プーチンは同行兵士の1人の腕を右手でつかむが、その手の甲に不可解なシミが浮き出している。

ウクライナの英字紙キーウ・ポストの記者、ジェーソン・ジェイ・スマートのツイートによれば、ロシア大統領府はこの時の様子を撮影した別バージョンの動画2本を公開している。そのうち1本では、動画に入ったウォーターマーク(透かし文字)によって手のシミが隠され、もう1本にはプーチンの手が映る場面が存在しない。

「(ロシア)政府ニュースの動画では、プーチンの手にIVの注射痕らしきものがある。ロシア大統領府も、同じ行事の動画2本を発表している。1つはウォーターマークだらけで(そのため、プーチンの手が見えづらくなっている)、もう1つにはプーチンの手のショットがない」と、スマートは記している。

「血液の癌」説や「パーキンソン病」説も

シミは本当に注射による治療を受けた結果なのか。実際のところは不明だ。プーチン「重病説」は繰り返し唱えられてきたが、その多くは病気の正体を癌としている。

米FOXニュースの医療コメンテーター、マーク・シーゲルは、プーチン本人は癌患者のようには見えないとFOXニュースデジタルで発言している。とはいえシーゲルも、シミがあるのは癌治療の際にIVを行う箇所として一般的な部位だということは認めている。

ロシアのウクライナ侵攻以来、プーチンには健康問題の噂が付きまとう。血液の癌だという声もあれば、パーキンソン病との説もある。

こうした噂の出どころは主に、ロシアで開発されたメッセージアプリ、テレグラムで人気を博すアカウント「SVRの将軍」だ(SVRはロシアの情報機関「対外情報庁」)。同アカウントは10月24日付けの投稿で、プーチンが持続的な吐き気や食欲不振、発作性の咳に悩まされていると主張した。

「この数カ月間に、プーチンの体重は8キロ減少している。病状の進行が目立ち、ひっきりなしに咳をしているために、健康が急速に衰えている兆候だと支配層に受け止められることを、側近らは懸念している」と、SVR将軍は指摘している。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

豪ボンダイビーチ銃撃、容疑者親子の軍事訓練示す証拠

ビジネス

英BP、豪ウッドサイドCEOを次期トップに任命 現

ワールド

アルゼンチンの長期外貨建て格付け「CCC+」に引き

ビジネス

日経平均は反落で寄り付く、米ハイテク株安受け半導体
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 5
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 6
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 7
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 8
    【銘柄】「日の丸造船」復権へ...国策で関連銘柄が軒…
  • 9
    9歳の娘が「一晩で別人に」...母娘が送った「地獄の…
  • 10
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 4
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 5
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 6
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 7
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 8
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 9
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 10
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中