最新記事

感染第4波

政府、4都府県の緊急事態宣言の延長を検討 7日にも正式決定の公算

2021年5月5日(水)14時44分

政府は、新型コロナウイルスの感染再拡大を受けて東京都など4都府県を対象に発令している緊急事態宣言について、11日までの期限を延長する方向で検討を始めた。7日にも正式決定する公算。4月、宣言初日に都内で撮影(2021年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

政府は、新型コロナウイルスの感染再拡大を受けて東京都など4都府県を対象に発令している緊急事態宣言について、11日までの期限を延長する方向で検討を始めた。7日にも正式決定する公算。東京五輪・パラリンピックへの影響の有無などが焦点となりそうだ。複数の関係筋が5日明らかにした。

現在、東京都と大阪府、兵庫県、京都府を対象とした昨年来3度目となる緊急事態宣言が発令されている。4月25日から2週間強の期間で、政府は短期集中で効果を期待していた。

しかし、4都府県の新規感染者数は、感染が最も深刻なステージ4の段階が続いている。特に大阪府は宣言発令後、重症患者の増加で医療逼迫が続いている。政府内には宣言延長に慎重な意見もあったが、ここにきて延長は不可避と判断しつつある。

大阪府の吉村洋文知事は4日、緊急事態宣言について「今の措置を緩めたり、解除したりするのは難しいと考えている」と述べ、現状では宣言の解除は難しいという認識を示していた。

複数の関係筋によると、延長幅については5月末までなどの意見が浮上している。今後の焦点は、現在行っている飲食店や大型商業施設への休業要請のほか、スポーツなどのイベントの無観客原則を継続するかだ。

同様の感染拡大傾向が続く北海道と福岡県についても、政府は緊急事態宣言に準じる規制が可能なまん延防止等重点措置を適用する方針だ。

菅義偉首相は5日、西村康稔経済再生相や田村憲久厚労相と関係閣僚会議を開催し、今後の対応を議論する見通し。関係筋によると正式な延長判断は7日に行われる公算が大きい。

7月開催予定の東京五輪・パラリンピックについて、政府は安全・安心な形で予定通り実行する方針を堅持している。国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長が17日に来日する方向で調整が行われている。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・誤って1日に2度ワクチンを打たれた男性が危篤状態に
・新型コロナ感染で「軽症で済む人」「重症化する人」分けるカギは?
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

プーチン大統領、トランプ氏にクリスマスメッセージ=

ワールド

ローマ教皇レオ14世、初のクリスマス説教 ガザの惨

ワールド

中国、米が中印関係改善を妨害と非難

ワールド

中国、TikTok売却でバランスの取れた解決策望む
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 2
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...どこでも魚を養殖できる岡山理科大学の好適環境水
  • 3
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足度100%の作品も、アジア作品が大躍進
  • 4
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 5
    「時代劇を頼む」と言われた...岡田准一が語る、侍た…
  • 6
    素粒子では「宇宙の根源」に迫れない...理論物理学者…
  • 7
    ノルウェーの海岸で金属探知機が掘り当てた、1200年…
  • 8
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 9
    ジョンベネ・ラムジー殺害事件に新展開 父「これま…
  • 10
    「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野…
  • 1
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 2
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低く、健康不安もあるのに働く高齢者たち
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 5
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 8
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 9
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 10
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 8
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中