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血栓の副反応問題のJ&Jワクチン、伊は停止・仏は使用へ 欧州当局は来週に新提言

2021年4月15日(木)11時14分

欧州医薬品庁(EMA)は14日、接種後に血栓の事例が報告されている米J&J製の新型コロナウイルスワクチンを巡り、来週にも使用に関する新たな提言を示す計画を明らかにした。写真は4月6日、シカゴでJ&Jワクチン接種を受ける人(2021年 ロイター/Carlos Barria)

欧州連合(EU)の医薬品規制当局である欧州医薬品庁(EMA)は14日、接種後に血栓の事例が報告されている米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)製の新型コロナウイルスワクチンを巡り、来週にも使用に関する新たな提言を示す計画を明らかにした。

EMAは、ワクチンの利点が副反応のリスクを上回ると引き続き確信しているとしつつも、当局が精査し、新たな勧告を行うまで、すでにEU諸国に出荷されたワクチンの使用を控えるようJ&Jが提言したと明らかにした。

米当局は13日、J&Jワクチンを接種した50歳以下の女性6人に血栓が生じる事例が報告されたことを受け、接種を一時中止するよう勧告した。

イタリアは14日、J&Jワクチンの使用中断を表明。一方、フランスは20万回分のワクチンを受けた取ったとし、計画通り接種を実施する方針を明示した。

スウェーデン保健当局は、EMAによる精査が行われるまで、J&Jワクチンの使用は見合わせるとした。

欧州では、英アストラゼネカ製ワクチン接種とまれな血栓症の発症が関連している可能性があることが指摘されたことを受け、ワクチン接種計画に狂いが生じていた。

デンマークは同日、アストラ製ワクチンの使用打ち切りを発表。血栓症の副反応などに絡み使用を完全に中止する国は世界で初めて。

[ロイター]


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