最新記事

2020米大統領選

アメリカ大統領選挙、勝敗決する激戦州の情勢や集計方法まとめ

2020年10月28日(水)18時53分

11月3日の米大統領選挙は、共和党のトランプ大統領と民主党のバイデン前副大統領、どちらの候補が勝つか、高い確率で予想可能な州が大半だが、10あまりの州は、どちらに転んでもおかしくない激戦州だ。投票を促すマスクをして期日前投票の列に並ぶ女性。ノースカロライナ州で15日撮影(2020年 ロイター/Jonathan Drake)

11月3日の米大統領選挙は、共和党のトランプ大統領と民主党のバイデン前副大統領、どちらの候補が勝つか、高い確率で予想可能な州が大半だが、10あまりの州は、どちらに転んでもおかしくない激戦州だ。

これらの激戦州は、勝利に必要な270人分の選挙人票を確保する上で、決定的な役割を果たす。

今年の大統領選は郵便投票と不在者投票が大きく増加。その上、州によって集計方法が異なるため、11月3日当日に結果が判明しない可能性がある。


以下、各州の情勢や集計方法などをまとめた。

フロリダ州

選挙人:29人

投票締め切り:米東部時間午後7時(日本時間4日午前9時)、同州北西部の複数の郡は1時間後

大統領選に関する世論調査での支持率:五分五分

その他の重要な選挙:15区と26区の下院議員選が接戦

票の集計:理由なしでの不在者投票を認めている。選挙当局者は選挙日の3週間以上前から投票用紙のスキャンなどの処理作業を開始することが可能だが、投票締め切り後まで集計を取ることはできない。票が集計に含まれるには、当日の投票締め切りまでに受理される必要がある。ただ、署名エラーが発生した票については11月5日午後5時まで修正が認められる。

ジョージア州

選挙人:16人

投票締め切り:米東部時間午後7時

大統領選に関する世論調査での支持率:五分五分

その他の重要な選挙:上院2議席の選挙がともに接戦とみられる。

票の集計:理由なしでの不在者投票を認めている。票は選挙当日の投票締め切りまでに受理される必要がある。開票やスキャンなどの処理作業は受理された時点で行うことが可能だが、当日の投票締め切り後まで集計を取ることはできない。

ニューハンプシャー州

選挙人:4人

投票締め切り:米東部時間午後7─8時(管轄区によって異なる)

大統領選に関する世論調査での支持率:民主党がリード

その他の重要な選挙:同州のクリス・スヌヌ知事(共和党)が再選される見込み。

票の集計:同州は新型コロナウイルス感染への懸念がある場合、不在者投票を認めるとしている。票は選挙当日午後5時までに受理される必要がある。一部の管轄区では10月29日から投票用紙の処理作業が可能となるが、当日の投票締め切りまで集計を取ることはできない。

ノースカロライナ州

選挙人:15人

投票締め切り:米東部時間午後7時半

大統領選に関する世論調査での支持率:五分五分

その他の重要な選挙:知事選と上院議員選が接戦

票の集計:理由なしでの不在者投票を認めている。数週間前から投票用紙のスキャンなどの処理作業を開始することが可能だが、選挙当日まで集計を取ることはできない。トランプ大統領の陣営は、投票日の11月3日までの消印があれば同12日の到着分まで郵便投票を有効にするとした同州の決定について、最高裁に差し止めを申し立てた。[nL4N2HH0PQ]

オハイオ州

選挙人:18人

投票締め切り:米東部時間午後7時半

大統領選に関する世論調査での支持率:五分五分

その他の重要な選挙:1区の下院議員選が接戦

票の集計:理由なしでの不在者投票を認めている。票のスキャンは早い場合10月6日から可能だが、集計を取ることはできない。不在者投票は、選挙当日の夜に最初に集計される。郵便投票は11月2日までの消印があり、11月3日以降の10日間に受理されたものが有効となる。

ミシガン州

選挙人:16人

投票締め切り:米東部時間午後8時

大統領選に関する世論調査での支持率:民主党がリード

その他の重要な選挙:上院議員選が接戦

票の集計:理由なしでの不在者投票を認めている。同州では規則変更を巡る訴訟が継続中だが、現時点で票は選挙当日の投票締め切りまでに受理される必要がある。人口が多い一部の管轄区では、11月2日から不在者投票の開票作業が可能なものの、大部分の地区は認められていない。不在者投票は11月3日午前7時にスキャンと集計が可能になる。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

アングル:最高値のビットコイン、環境負荷論争も白熱

ビジネス

決算に厳しい目、FOMCは無風か=今週の米株式市場

ビジネス

中国工業部門企業利益、1─3月は4.3%増に鈍化 

ビジネス

米地銀リパブリック・ファーストが公的管理下に、同業
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ」「ゲーム」「へのへのもへじ」

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 6

    走行中なのに運転手を殴打、バスは建物に衝突...衝撃…

  • 7

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 8

    ロシア黒海艦隊「最古の艦艇」がウクライナ軍による…

  • 9

    ロシア軍「Mi8ヘリコプター」にウクライナ軍HIMARSが…

  • 10

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 6

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 7

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 8

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 3

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈する動画...「吹き飛ばされた」と遺族(ロシア報道)

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 6

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミ…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中