最新記事

韓国

韓国は「脱日本」の成功を強調 日本の輸出規制から1年、その実態は?

2020年7月15日(水)16時00分
佐々木和義

一方、日本依存が高まった品目も多い。半導体材料のシリコンウエハーは日本製の割合が前年の34.6%から40.7%に上昇した。炭素部品も規制前47.8%だった日本依存が56.7%に上昇するなど、韓国企業が日本から輸入している上位100品目のうち、34品目で日本依存の割合が上昇していた。

実質的な輸出規制につながらないケースが多かった

経済団体の全国経済人連合会(全経連)は、調査会社に依頼して、金融業を除く売上高上位1000社のうち、日本から素材や部品、装備等を輸入している韓国企業を対象に、輸出規制強化後1年間の変化に関するアンケートを実施した。

23.5%が日本からの輸入で苦労したと答えたが、45.6%が苦労はなかったと回答した。また、68.5%が日本からの輸入を継続し、31.5%は国産など供給元の変更を試みたと回答したが、輸入額ベースでの供給元の変更は3.35%に過ぎなかった。

全経連は日本の措置が実質的な輸出規制につながらないケースが多かったと分析し、韓国貿易協会は輸出規制の実効力が小さいと見る日本政府の追加規制を危惧する。

韓国には日本企業とサムスンやLG等が合弁で設立した工場が多い。半導体素材企業の東京応化工業(TOK)は、サムスン物産と合弁で仁川に設立した工場で、サムスン電子向けフォトレジスト(感光液)を少量生産していたが、7月から本格生産を開始した。サムスン電子が調達先を拡大し、規制前0.4%だったベルギー製の割合が5.8%まで増加した。さらに米デュポン社が韓国工場を建設すると発表したため韓国工場の生産量を増やすことにした。

外国企業の出資割合が50%を超える現地法人の工場は税制優遇を受けられる上、安定供給が容易になる。ま た日本企業は核心技術を渡すことなく、売上げを維持できる。日本企業が韓国に設立した合弁工場は、日本から輸出する原料が規制を受けるが、生産自体は規制を受けないため供給への支障は小さく、数字上は韓国製にカウントされることになる。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ソニーG、新ファンドの本格運営を開始 200億円超

ワールド

NATO、米国の関与縮小の可能性に備えるべき=トル

ワールド

米制裁対象の中国タンカーがホルムズ通過、封鎖開始後

ワールド

シェブロン、ベネズエラで資産交換に合意
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:台湾有事の新シナリオ
特集:台湾有事の新シナリオ
2026年4月21日号(4/14発売)

地域紛争の「大前提」を変えた米・イラン戦争が台湾侵攻の展開に及ぼす影響をシミュレーション

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本は「イノベーションのやり方」を忘れた...ホンダ「EV撤退」が示す、日本が失った力の正体
  • 2
    「いい加減にして...」ケンダル・ジェンナーの「目のやり場に困る」姿にネット騒然
  • 3
    停戦合意後もレバノン猛攻を続けるイスラエル、「国防軍は崩壊寸前」
  • 4
    【銘柄】イラン情勢で「任天堂」が急落 不確実な相…
  • 5
    トランプがまた暴走?「イラン海上封鎖」の勝算
  • 6
    目のやり場に困る...元アイスホッケー女性選手の「密…
  • 7
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文…
  • 8
    「仕事ができる人」になる、ただ1つの条件...「頑張…
  • 9
    「違法レベル...」ゼンデイヤの「完全に透けて見える…
  • 10
    BTS再始動、3年9カ月の沈黙を経て──変わる音楽市場で…
  • 1
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文章」...歴史を塗り替えかねない、その内容とは?
  • 2
    バリ島沖の要衝で「中国製水中ドローン」が回収される...潜水艦の重要ルートで一体何をしていた?
  • 3
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 4
    韓国、生理用品無償支給を7月から開始 靴の中敷きで…
  • 5
    「南東部と東部の前線で480平方キロ奪還」とウクライ…
  • 6
    「地獄を見る」のは米国か──イラン地上侵攻なら革命…
  • 7
    停戦合意後もレバノン猛攻を続けるイスラエル、「国…
  • 8
    撃墜された米国機から財布やID回収か、イラン側が拡…
  • 9
    ポケモンで遊ぶと脳に「専用の領域」ができる? ポ…
  • 10
    中国がイラン戦争一時停戦の裏で大笑い...一時停戦に…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 3
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 4
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文…
  • 5
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 6
    バリ島沖の要衝で「中国製水中ドローン」が回収され…
  • 7
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 8
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 9
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
  • 10
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中