最新記事

日本経済

安倍首相、全国民に一律10万円給付へ補正組み替え指示 公明要請で方針転換へ

2020年4月16日(木)18時12分

安倍晋三首相は16日、新型コロナウイルス対策として全国民を対象とする一律10万円の現金支給を盛り込むため、来週審議予定の2020年度補正予算を組み替えるよう、岸田文雄政調会長に指示した。写真は7日都内での代表撮影(2020年/ロイター)

安倍晋三首相は16日、新型コロナウイルス対策として全国民を対象とする一律10万円の現金支給を盛り込むため、来週審議予定の2020年度補正予算を組み替えるよう、岸田文雄政調会長に指示した。与党関係者が明らかにした。

すでに閣議決定した予算案を組み替えるのは異例だが、公明党の強い要請を受けた格好だ。公明党は新型コロナ対策として当初より一律10万円の支給を求めていたが、政府はリーマン・ショック後の現金給付が効果的ではなかったとの判断から、所得が急減した世帯のみを対象に30万円を支給する方針を決めていた。補正組み替えにより、30万円の給付は取り下げられることになる。

公明党は時間のかかる対象を絞り込んだ30万円支給よりも、早期の一律支給が急務として補正予算の組み替えを自民党側に強く求め、山口那津男代表が安倍首相に直接要請。補正予算の審議日程を詰める16日の衆院予算委員会理事懇談会も欠席していた。

NHKは16日夕、10万円の給付に関して、安倍首相が所得制限を設けず一律給付する考えを公明党の山口代表に伝えたと報じている。

*内容を追加しました。

(竹本能文)

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

【関連記事】
・日本・台湾・香港の「コロナ成績表」──感染爆発が起きていないのはなぜ?
・アメリカが期待した「クロロキン」、ブラジルで被験者死亡で臨床試験中止
・「社会的距離の確保、2022年まで必要な可能性」米ハーバード大学が指摘
・気味が悪いくらいそっくり......新型コロナを予言したウイルス映画が語ること


20200421issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年4月21日号(4月14日発売)は「日本人が知らない 休み方・休ませ方」特集。働き方改革は失敗だった? コロナ禍の在宅勤務が突き付ける課題。なぜ日本は休めない病なのか――。ほか「欧州封鎖解除は時期尚早」など新型コロナ関連記事も多数掲載。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:軽飛行機で中国軍艦のデータ収集、台湾企業

ワールド

トランプ氏、加・メキシコ首脳と貿易巡り会談 W杯抽

ワールド

プーチン氏と米特使の会談「真に友好的」=ロシア大統

ビジネス

ネットフリックス、ワーナー資産買収で合意 720億
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」が追いつかなくなっている状態とは?
  • 2
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 3
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺るがす「ブラックウィドウ」とは?
  • 4
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 5
    「ボタン閉めろ...」元モデルの「密着レギンス×前開…
  • 6
    左手にゴルフクラブを握ったまま、茂みに向かって...…
  • 7
    『羅生門』『七人の侍』『用心棒』――黒澤明はどれだ…
  • 8
    主食は「放射能」...チェルノブイリ原発事故現場の立…
  • 9
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 10
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 1
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体を東大教授が解明? 「人類が見るのは初めて」
  • 2
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」が追いつかなくなっている状態とは?
  • 3
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%しか生き残れなかった
  • 4
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 5
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 6
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 7
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 8
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 9
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 10
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中