最新記事

エネルギー

プーチン、独へ天然ガス送る海底パイプライン自力建設を示唆

2019年12月26日(木)15時15分

ロシアのプーチン大統領は25日、ドイツに天然ガスを送る海底パイプライン「ノルドストリーム2」建設事業について、自国が保有するパイプ敷設船で完成させることが可能との認識を示した。写真はモスクワの大統領府で代表撮影(2019年 ロイター)

ロシアのプーチン大統領は25日、ドイツに天然ガスを送る海底パイプライン「ノルドストリーム2」建設事業について、自国が保有するパイプ敷設船で完成させることが可能との認識を示した。ロシア紙コメルサントが26日、複数の匿名の情報筋の話として伝えた。

米国では今月、ノルドストリーム2敷設事業に参加する企業に制裁を科す法律が成立。これに伴い、スイス・オランダ系のオールシーズが制裁を回避するためパイプ敷設船による敷設作業を中止した。

コメルサントによると、プーチン大統領は25日夜、財界要人らに対し、ロシアがパイプ敷設船を有すると述べるとともに、米国の制裁により完成は数カ月「延びる」見通しを示した。

事業に参加している欧州企業が作業を中止した場合、頼みの綱はガスプロムが2016年に購入した特殊なパイプ敷設船「アカデミック・チェルスキー」となる。

ガスプロム関係者は、具体的な数字を示さず、チェルスキーの平均敷設速度はオールシーズの敷設船に劣ると述べた。リフィニティブのアイコンデータによると、チェルスキーは現在、太平洋側のナホトカに係留されている。

米国の制裁が決定する前、ロシアはノルドストリーム2が2020年半ばごろ、ないしその前に稼働するとの見通しを示していた。

[モスクワ 26日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2019トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます



2019123120200107issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2019年12月31日/2020年1月7日号(12月24日発売)は「ISSUES 2020」特集。米大統領選トランプ再選の可能性、「見えない」日本外交の処方箋、中国・インド経済の急成長の終焉など、12の論点から無秩序化する世界を読み解く年末の大合併号です。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米肥満薬開発メッツェラ、ファイザーの100億ドル買

ワールド

米最高裁、「フードスタンプ」全額支給命令を一時差し

ワールド

アングル:国連気候会議30年、地球温暖化対策は道半

ワールド

ポートランド州兵派遣は違法、米連邦地裁が判断 政権
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 2
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2人の若者...最悪の勘違いと、残酷すぎた結末
  • 3
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統領にキスを迫る男性を捉えた「衝撃映像」に広がる波紋
  • 4
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    クマと遭遇したら何をすべきか――北海道80年の記録が…
  • 7
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 8
    【銘柄】元・東芝のキオクシアHD...生成AIで急上昇し…
  • 9
    なぜユダヤ系住民の約半数まで、マムダニ氏を支持し…
  • 10
    長時間フライトでこれは地獄...前に座る女性の「あり…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 5
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 6
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 7
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 8
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 9
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 10
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 9
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 10
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中