最新記事

ポピュリズム

ポーランド総選挙、右派ポピュリズムの与党「法と正義」が勝利

2019年10月15日(火)10時05分

ポーランドで13日に実施された総選挙は、下院(定数460)で右派ポピュリズム(大衆迎合主義)政党の与党「法と正義」が勝利した。写真は「法と正義」のカチンスキ党首。ワルシャワで13日撮影(2019年 ロイター/Kacper Pempel)

ポーランドで13日に実施された総選挙は、下院(定数460)で右派ポピュリズム(大衆迎合主義)政党の与党「法と正義」が勝利した。ただ、上院では過半数割れとなった。

選管当局の発表によると、法と正義の得票率は43.6%で、過半数を上回る235議席を確保した。得票率は4年前の前回選挙の37.6%から上昇した。

法と正義は、社会保障制度の拡充や抜本的な司法改革などを選挙公約に掲げていた。最終結果の発表を受けて、カチンスキ党首は「われわれが重要とみなす全ての政策は実現する」と表明した。

親欧州連合(EU)で穏健派の野党、市民プラットフォームなどの市民連合の得票率は27.4%で2位となり、134議席を確保した。

法と正義は、1989年の民主化の恩恵を受けていない有権者の不満を吸い上げて勝利した。同党は、企業や一部エリートに偏っている富を公平に分配すると表明した。

一方、同党を巡っては、メディアへの介入を強めているとの批判もある。市民プラットフォームのIzabela Leszczyna議員は「人々の意識は、法と正義の権威主義的な動きを阻止しようとする方向に向かっている」とコメントした。

投票率は61.7%で、1989年以降で最も高かった。

選管当局によると、上院(定数100)では、法と正義の議席が48議席にとどまり、過半数に届かなかった。

[ワルシャワ 14日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2019トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イスラエルがイラン再攻撃計画か、トランプ氏に説明へ

ワールド

プーチン氏のウクライナ占領目標は不変、米情報機関が

ビジネス

マスク氏資産、初の7000億ドル超え 巨額報酬認め

ワールド

米、3カ国高官会談を提案 ゼレンスキー氏「成果あれ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 2
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低く、健康不安もあるのに働く高齢者たち
  • 3
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリーズが直面した「思いがけない批判」とは?
  • 4
    懲役10年も覚悟?「中国BL」の裏にある「検閲との戦…
  • 5
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 6
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 7
    週に一度のブリッジで腰痛を回避できる...椎間板を蘇…
  • 8
    「信じられない...」何年間もネグレクトされ、「異様…
  • 9
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 10
    「何度でも見ちゃう...」ビリー・アイリッシュ、自身…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 5
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 6
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 7
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 8
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 9
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 10
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 8
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中