最新記事

イスラエル

それでも「お仲間」ミャンマーに武器を売るイスラエル

2019年6月12日(水)11時20分
クリスティ・マザ

ロヒンギャ弾圧を続けるミャンマー軍と立場は同じイスラエル Ann Wang-REUTERS

<ロヒンギャを不法移民と決め付けるミャンマーと、パレスチナ人をヨルダンからの移民を見なすイスラエルの立場はぴったり重なる>

イスラム系少数民族ロヒンギャを弾圧するミャンマーに武器を売却していることを人権団体から非難され、ミャンマーとの武器取引をやめるとイスラエルが宣言したのは17年のこと。だが6月初め、イスラエルの兵器見本市に、ミャンマー軍関係者が出席する様子が報じられた。

どうやら両国の軍事協力は終わっていないらしい。国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは5月、声明で「イスラエル企業は人権侵害国家に武器輸出を続けている」と指摘。「何重もの取引を経ることで、国際的な監視も政府の規制も回避している」と報告した。

ロヒンギャを不法移民と決め付けるミャンマーと、パレスチナ人をヨルダンからの移民と見なすイスラエルの立場はぴったり重なると、専門家らは指摘する。アメリカ系パレスチナ人ジャーナリストのラムジー・バラウードは15年の論説で、「イスラエルは建国の経緯について偏った歴史を語り、この地とパレスチナ人とのつながりを否定してきた」と書いている。「ミャンマーがしたことも同じだ」

<本誌2019年6月18日号掲載>

20190618issue-cover200.jpg
※6月18日号(6月11日発売)は「名門・ジョージタウン大学:世界のエリートが学ぶ至高のリーダー論」特集。「全米最高の教授」の1人、サム・ポトリッキオが説く「勝ち残る指導者」の条件とは? 必読リーダー本16選、ポトリッキオ教授から日本人への提言も。


ニューズウィーク日本版 世界が尊敬する日本の小説36
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年9月16日/23日号(9月9日発売)は「世界が尊敬する日本の小説36」特集。優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イスラエル軍、ガザ市住民の避難に新ルート開設 48

ワールド

南アCPI、8月は予想外に減速 金融政策「微妙な判

ビジネス

英8月CPI前年比+3.8%、米・ユーロ圏上回る 

ビジネス

インドネシア中銀、予想外の利下げ 成長押し上げ狙い
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェイン・ジョンソンの、あまりの「激やせぶり」にネット騒然
  • 2
    「日本を見習え!」米セブンイレブンが刷新を発表、日本では定番商品「天国のようなアレ」を販売へ
  • 3
    中国は「アメリカなしでも繁栄できる」と豪語するが...最新経済統計が示す、中国の「虚勢」の実態
  • 4
    ケージを掃除中の飼い主にジャーマンシェパードがま…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 7
    腹斜筋が「発火する」自重トレーニングとは?...硬く…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「リラックスできる都市」が発…
  • 9
    「この歩き方はおかしい?」幼い娘の様子に違和感...…
  • 10
    「なにこれ...」数カ月ぶりに帰宅した女性、本棚に出…
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 4
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 5
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 6
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 7
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    埼玉県川口市で取材した『おどろきの「クルド人問題…
  • 10
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 7
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 8
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 9
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 10
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中