最新記事

医療

トランプ大統領「オバマケアは死んだ」 超党派の暫定措置要請

2017年10月17日(火)10時10分

10月16日、トランプ米大統領は、共和・民主両党が医療保険市場の応急措置を策定することに楽観的な見方を表明した。写真は16日、ホワイトハウスで撮影(2017年 ロイター/Yuri Gripas)

トランプ米大統領は16日、前政権が導入した医療保険制度改革(オバマケア)は「死んだ」と宣言するとともに、議会の共和・民主両党に対し医療保険市場の問題に対処するための暫定措置を策定するよう求めた。

トランプ氏はホワイトハウスで記者団に「(オバマケア)は死んだ。消滅した」と言明。「共和・民主が協力して、短期的な措置が策定されるだろう」と語った。

大統領はまた、処方薬の価格は「制御不能」になっていると強調し、引き下げに取り組む意向を示したが、詳細には言及しなかった。

トランプ大統領は前週、オバマケアに基づき保険会社に支払う低所得層向け医療補助金を停止すると発表したばかり。

大統領は、医療保険を手の届く価格水準にすることを目指しており、超党派の暫定措置策定と共和党による長期的な解決法を来年上半期に成立させることを促すことで目標に向けて取り組んでいると語った。

民主党のシューマー上院院内総務は声明で「トランプ大統領が現行のオバマケア安定化および改善に向けた合意を支持するのであれば、そうした心境の変化を歓迎する」との認識を示した。

共和党のアレクサンダー上院議員と民主党のマレー上院議員はこれまでに、現行のオバマケアの下、保険市場安定化に向けた超党派の合意を目指し作業を進めてきた。

アレクサンダー氏は記者団に「結果を出すことを望んでいる」と述べたが、上院の支持が必要になると指摘した。同氏とマレー氏は、医療補助金の2年延長とオバマケアの制度運営で州政府に裁量を与えることで合意を目指していると明らかにした。

[ワシントン 16日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2017トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

BBC理事長、トランプ氏の訴訟に「断固闘う」と表明

ワールド

米SEC、株主提案の除外審査を一時停止 アクティビ

ビジネス

ホンダ、北米工場24日から通常稼働 半導体不足で生

ワールド

トランプ氏、対ロ制裁法案に署名へ 最終権限保持なら
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    悪化する日中関係 悪いのは高市首相か、それとも中国か
  • 3
    「中国人が10軒前後の豪邸所有」...理想の高級住宅地「芦屋・六麓荘」でいま何が起こっているか
  • 4
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 5
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 6
    山本由伸が変えた「常識」──メジャーを揺るがせた235…
  • 7
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 8
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 9
    南京事件を描いた映画「南京写真館」を皮肉るスラン…
  • 10
    経営・管理ビザの値上げで、中国人の「日本夢」が消…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 4
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 5
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 6
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 7
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 8
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 9
    「中国人が10軒前後の豪邸所有」...理想の高級住宅地…
  • 10
    ヒトの脳に似た構造を持つ「全身が脳」の海洋生物...…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中