最新記事

ドイツ銀行

ドイツ銀、リーマンのようにはならない=オーストリア財務相

2016年9月30日(金)00時00分

9月29日、オーストリアのシェリング財務相はドイツ銀行は経営破たんした米リーマン・ブラザーズのようにはならないとの見解を示した。ただ、欧州の銀行は利益面では広範な危機に直面しているとの認識は示した。写真は2015年10月、フランクフルトのドイツ銀本店(2016年 ロイター/Kai Pfaffenbach)

 オーストリアのシェリング財務相は、ドイツ銀行は経営破たんした米リーマン・ブラザーズのようにはならないとの見解を示した。ただ、欧州の銀行は利益面では広範な危機に直面しているとの認識は示した。

 同財務相はロイターのインタビューで、ドイツ銀は欧州のリーマン・ブラザーズになるかとの質問に対し「そうはならない」とし、「金融危機後も銀行問題への対策はあまり進んでいないのが現状で、欧州の銀行は利益の面では危機に直面しているが、欧州では銀行危機は発生していないことは確実に言える」と述べた。

 そのうえで、金利状況を反映し欧州の銀行の利益率は思わしくない水準にあるとの考えを示し、「銀行はこうした状況に対処し、再編する必要がある」と述べた。

 シェリング財務相はまた、ドイツ銀をめぐる問題が次回の欧州財務相会合で議題として取り上げられる計画はないと言明。

 リーマンの破たんがあれほどの影響を及ぼすとは誰もが予想できなかったため警戒する必要はあるとしながらも、欧州には銀行同盟、単一の銀行監督制度や預金保護制度などが整備されており、「欧州では金融市場の安定化に向け必要なすべての手段は整っている」と指摘。世界的に大きな影響を及ぼしたリーマン破たんのような事態には陥らないとの見方を示した。

 また、オーストリアを含む各国政府は欧州中央銀行(ECB)の緩和措置を脇から支えるためにより大きな役割を果たす必要があるとも指摘。金融政策のみで目標を達成することはできないとし、多くの困難は存在するが「別の手段である財政政策を(金融政策と)組み合わせる必要がある」と述べた。

[ロンドン 29日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ヘッジファンドのレバレッジ、5年ぶり高水準=ゴール

ビジネス

英PMI、6月は予想以上に改善 雇用削減と地政学リ

ビジネス

アングル:三菱重工、伝統企業が「グロース」化 防衛

ワールド

アングル:イラン核開発、米軍爆撃でも知識は破壊でき
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:コメ高騰の真犯人
特集:コメ高騰の真犯人
2025年6月24日号(6/17発売)

なぜ米価は突然上がり、これからどうなるのか? コメ高騰の原因と「犯人」を探る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「過剰な20万トン」でコメの値段はこう変わる
  • 2
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の「緊迫映像」
  • 3
    飛行機内で「最悪の行為」をしている女性客...「あり得ない!」と投稿された写真にSNSで怒り爆発
  • 4
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測…
  • 5
    イランとイスラエルの戦争、米国より中国の「ダメー…
  • 6
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 7
    「イラつく」「飛び降りたくなる」遅延する飛行機、…
  • 8
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 9
    EU、医療機器入札から中国企業を排除へ...「国際調達…
  • 10
    ホルムズ海峡の封鎖は「自殺行為」?...イラン・イス…
  • 1
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 2
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の「緊迫映像」
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 5
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 6
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
  • 7
    イタリアにある欧州最大の活火山が10年ぶりの大噴火.…
  • 8
    ホルムズ海峡の封鎖は「自殺行為」?...イラン・イス…
  • 9
    イランとイスラエルの戦争、米国より中国の「ダメー…
  • 10
    「アメリカにディズニー旅行」は夢のまた夢?...ディ…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊の瞬間を捉えた「恐怖の映像」に広がる波紋
  • 3
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 4
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 5
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 6
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の…
  • 7
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 8
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 9
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 10
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中