最新記事

金融

銀行はネット専業より既存行の方が収益高い フランス中銀総裁が見解

2019年10月3日(木)12時39分

インターネット専業銀行は今後さらに市場シェアが拡大するかもしれないが、既存の銀行の方が依然として収益性はずっと高い──。フランス中央銀行のビルロワドガロー総裁は2日、こうした認識を示した。写真はG20に参加したビルロワドガロー総裁。6月8日、福岡県で撮影(2019年 ロイター/代表撮影)

インターネット専業銀行は今後さらに市場シェアが拡大するかもしれないが、既存の銀行の方が依然として収益性はずっと高い──。フランス中央銀行のビルロワドガロー総裁は2日、こうした認識を示した。

フランスでも他の諸国と同様に、既存銀行が支店網維持や大量の人員確保といったコストがかからないネット銀行とのし烈な競争にさらされている。

ビルロワドガロー氏は、昨年フランスで新規開設された銀行口座の3分の1をネット銀行が占めたと指摘。「しかし、これらのネット銀行の収益力に目を向けると、はるかに見栄えしなくなる」と語った。

低金利は特にネット銀行に打撃を与えている。彼らの事業モデルは、各種サービスの手数料を得られる既存銀行と違って、預金事業で利益を得る前提だからだ。

「私は支店網に見切りはつけない。各店の規模や数、人員は修正する必要があるだろう。だが(ネット銀行に比べると)収益力ははるかに大きい」とも述べ、その理由としてより簡単にさまざまな金融商品を販売したり、顧客とのつながりを保てる点を挙げた。

[パリ 2日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2019トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます




20191008issue_cover200.jpg
※10月8日号(10月1日発売)は、「消費増税からマネーを守る 経済超入門」特集。消費税率アップで経済は悪化する? 年金減額で未来の暮らしはどうなる? 賃貸、分譲、戸建て......住宅に正解はある? 投資はそもそも万人がすべきもの? キャッシュレスはどう利用するのが正しい? 増税の今だからこそ知っておきたい経済知識を得られる特集です。



今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

物価目標はおおむね達成、追加利上げへ「機熟した」=

ワールド

高市氏に1回目から投票、閣外協力「逃げ」でない=維

ワールド

ベトナム、26年は10%成長目標に 外的圧力でも勢

ビジネス

中国GDP、第3四半期は前年比+4.8% 1年ぶり
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本人と参政党
特集:日本人と参政党
2025年10月21日号(10/15発売)

怒れる日本が生んだ「日本人ファースト」と参政党現象。その源泉にルポと神谷代表インタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 2
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 3
    本当は「不健康な朝食」だった...専門家が警告する「実は避けるべき」一品とは?
  • 4
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 5
    ニッポン停滞の証か...トヨタの賭ける「未来」が関心…
  • 6
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 7
    ギザギザした「不思議な形の耳」をした男性...「みん…
  • 8
    【インタビュー】参政党・神谷代表が「必ず起こる」…
  • 9
    「中国は危険」から「中国かっこいい」へ──ベトナム…
  • 10
    自重筋トレの王者「マッスルアップ」とは?...瞬発力…
  • 1
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 2
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以外の「2つの隠れた要因」が代謝を狂わせていた
  • 3
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 4
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ…
  • 5
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道され…
  • 6
    中国人が便利な「調理済み食品」を嫌うトホホな理由…
  • 7
    日本で外国人から生まれた子どもが過去最多に──人口…
  • 8
    「心の知能指数(EQ)」とは何か...「EQが高い人」に…
  • 9
    本当は「不健康な朝食」だった...専門家が警告する「…
  • 10
    「欧州最大の企業」がデンマークで生まれたワケ...奇…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 3
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 4
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 5
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 8
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中