プレスリリース

日本ロレアル研究所世界初、無意識下で匂いが心身に及ぼす影響を脳科学研究により解明

2019年10月24日(木)14時29分
日本ロレアル株式会社
― 脳の活動・心的変化をリアルタイムでイメージ解析 ―

世界最大の化粧品会社ロレアルグループ(本社:パリ)の日本法人である日本ロレアル株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:ジェローム・ブリュア)は、瞬時に変化する脳の活動状態や心的変化を脳波のイメージを用いて解析し、使用者本人が意識する快・不快に影響を与えない程度のごく微量な匂いでも心身に影響するということを世界で初めて明らかにしました。本研究は、日本ロレアル リサーチ&イノベーションセンターと京都橘大学 兒玉隆之研究室との共同研究で行われたものです。


無意識下で匂いが心身に及ぼす影響を発見
匂いによる刺激が心身にどのような影響を与えるか調べるために、イメージ解析を用いて脳の活動状態を測定しました。3種類のサンプル「アンモニア臭のあるもの」、「アンモニア臭を軽減したもの」、「アンモニア無配合のもの」を被験者に嗅いでもらったところ、脳のリラックス状態を示すα波の活動はアンモニア臭の量が多くなるにつれ低下していくことがわかりました。
また、同被験者にアンケート調査による匂いを嗅いだ際の快・不快の主観的評価を行ったところ、「アンモニア臭を軽減したもの」と「アンモニア無配合のもの」では快・不快に有意な差はありませんでした。一方、脳活動の測定においては、「アンモニア臭を軽減したもの」と「アンモニア無配合のもの」では、リラックス状態を示すα波の活動に差が確認され、使用者本人が意識する快・不快に影響を与えない程度のごく微量なアンモニアの匂いからも脳は影響を受けていることがわかりました。(図1.)


図1. 脳のリラックス状態を示すα波


匂いによる感情変化を理解
さらに、匂いを嗅いだ後の脳活動の変化を調べるために、イメージ解析を用いてβ波の活動を測定しました。喜怒哀楽といった感情変化に伴う神経活動を反映するβ波は、一般的に左脳に高い活動がある場合は心地良い感情と関連があり、右脳に高い活動があると不快な感情と関係することが知られています。
今回の研究では「アンモニア臭のあるもの」を嗅いだ後では不快な感情が表れる右脳にβ波の活動を認めることができました。一方、「アンモニア臭を軽減したもの」、「アンモニア無配合のもの」を嗅いだ後はβ波の活動が心地良い感情が表れる左脳に認められましたが、これら2つのサンプル間ではβ波の活動に差があることから、心地よい感情の程度にも差があることがわかりました。同研究によって初めて、アンモニアの匂いが感情へ与える影響に関する知見を、脳の神経活動レベルで証明することができました。(図2.)


図2. 脳の感情変化を示すβ波
図 解析に用いた脳波測定機器 (g.SAHARA dry active electrode system, g.tec社製)

日本ロレアル リサーチ&イノベーションセンターは戦略的イノベーション拠点として位置づけられ、35年以上にわたるヘアケア、スキンケア、メイクアップの研究開発の実績を誇ります。匂いは製品や顧客心理に大きな影響を与える要因として重視しており、より高度な知見を得るため、さまざまな手法を用いて研究に取り組んでいます。「世界から日本へ、日本から世界へ」という理念のもと、「顧客中心主義」を第一に、日本をはじめ、多様化するグローバルな消費者ニーズに対応すべく、革新的な製品開発を推し進めていきます。

***
日本ロレアルについて (http://www.nihon-loreal.jp/)
1963年から事業を開始し、1996年に日本法人である日本ロレアル株式会社が設立されました。2,500人の従業員を有し、化粧品の輸入、製造、販売、マーケティングを行っています。現在、「ランコム」「シュウ ウエムラ」「イヴ・サンローラン」「ロレアル パリ」「ロレアル プロフェッショナル」「メイベリン ニューヨーク」など18のブランドを取り扱っています。

1983年にアジアで初めて日本に研究開発拠点を置き、現在、日本ロレアル リサーチ&イノベーションセンター(川崎市・溝の口)として、日本をはじめ、アジアの研究開発の戦略的なイノベーション拠点としての役割を担っています。200名以上の研究者のうち女性研究者は56%占めています。ロレアルグループが展開する研究開発拠点の中ではアジアで唯一、基礎・応用・開発・評価の全研究体制を有します。近年、東京大学、京都大学や理化学研究所、DMM.make AKIBA、国立研究開発法人物質・材料研究機構との共同研究センター設立など日本発のオープンイノベーションを積極的に推進しています。
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