プレスリリース

GaN系微小光源(短共振器レーザー・マイクロLED)の独自の基板と工法を開発

2022年10月17日(月)13時15分
※Si(シリコン)基板上に形成した100um(マイクロメートル)以下のGaN系端面発光レーザーにおいて(2022年9月京セラ調べ)

京セラ株式会社(代表取締役社長:谷本 秀夫)は、独自の成膜技術を応用し、GaN系微小光源(短共振器レーザー・マイクロLED)を作製するためのSi(シリコン)をベースとした独自基板とその基板を用いたGaN系微小光源の新しい工法(デバイスプロセス)を開発し、世界で初めて100um長レーザーの発振を実現しました。
画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/329635/img_329635_1.png
京セラが開発した100um長レーザー発振の様子
画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/329635/img_329635_2.png
画像3: https://www.atpress.ne.jp/releases/329635/img_329635_3.jpg









マイクロLED 100um長レーザー

■微小光源(短共振器レーザー/マイクロLED)とは
素子の一辺が100um(マイクロメートル)以下の光源は微小光源と呼ばれ、その代表的なものに、短共振器レーザーとマイクロLEDがあります。これらの微小光源は、高精細、小型軽量という優位性から、次世代の車載用ディスプレイやスマートグラスへの活用、また通信、医療分野への応用も期待されています。特に、マイクロLEDチップの市場規模は2022年の約26億円※から2026年までには約3,700億円※と、約142倍の市場拡大が予想されています。
※出典:TREND FORCEによる調査「Micro LED Large-Sized Display Chip Market
Estimated to Reach 2.7 Billion US dollars by 2026, Says TrendForce」(2022年8月)参照

■微小光源を作製するための課題
従来のGaN系光源デバイス(LED、レーザー)の作製には、サファイア基板やGaN基板が使用されています。GaN系光源デバイスは、その基板を1,000度以上の高温に加熱し、原料となるガスを供給することで、光源となるデバイス層(GaN層)を成膜し、デバイス層を基板と一緒に分割することで作製します。
しかし、さらに微細な光源を作製する場合は次のような課題がありました。

(1)デバイス層の剥離が困難
微小光源を作製するために、一般的には、基板上でデバイス層を一つ一つの光源に分割し、さらにデバイス層を基板から剥離することが必要です。
しかし、微小なデバイスを基板から剥離することは極めて困難でした。

(2)欠陥密度が高く品質にばらつきが出る
微小光源の作製は、サファイア基板やSi基板上に、デバイス層(GaN層)という原子構造の異なるデバイスを成膜するため、基板の影響を受けやすく、欠陥密度が高くなるという課題がありました。

(3)製造コストが高い
GaN基板や、サファイア基板を使った製法は製造コストに課題があり、一方、サファイアより安価なSi基板を使うと基板からデバイス層を剥離することが困難であるという別の課題がありました。

■京セラが開発した新工法について
このたび当社が開発に成功した基板は、特殊な技術を採用しております。まず、低コストで、大口径化が可能なSi基板上にGaN層を育成します。その上にGaN層が成長しない材料でマスキングをし、中央に開口部を形成します。その後、GaN層を成膜すると、マスキングしていない部分からGaNの成長核が開口部上に成長します。成長核であるGaN層は成長する初期段階で欠陥が多く発生しますが、それを横方向に成膜することで、欠陥密度が低く高品質なGaN層の成膜が可能となり、この低欠陥領域にデバイスを作製します。
画像4: https://www.atpress.ne.jp/releases/329635/img_329635_4.png

■新工法の優位性
(1)デバイス層(GaN層)の剥離が容易
GaN層が成長しない材料でマスキングすることにより、基板とGaN層の結合を抑制し、剥離が容易になります。

(2)欠陥密度が低く高品質なデバイス層(GaN層)の作製が可能
従来より広範囲に低欠陥領域を成膜できるため、ばらつきのない高品質なデバイス層の作製が可能となります。

(3)安価な製造コストの実現
新工法では安価であるSi基板からデバイス層(GaN層)の剥離を実現するため、製造コストの削減に貢献します。

画像5: https://www.atpress.ne.jp/releases/329635/img_329635_5.png
■微小光源の活用事例
(1) 次世代車載用透明ディスプレイ
今後、自動運転化が進み、車載向けにもさらに高い透過性、高輝度、高効率、かつ低コストなディスプレイが求められます。
京セラの開発した基板と工法が実現することにより、高品質なマイクロLEDを安価に生産することができ、自動運転社会の発展に寄与します。

次世代車載用透明ディスプレイイメージ
(2)AR/VR用微小光源
画像6: https://www.atpress.ne.jp/releases/329635/img_329635_6.png
AR/VR用微小光源の市場拡大が予想されています。
VRではメタバースによる仮想空間マーケットの創出、ARでは脱スマホを目指し、スマートグラスなどの開発が進んでいます。従来のAR用の半導体レーザーでは300um長が限界でしたが、京セラは3分の1の100umの大きさを実現したため、低消費電力にも繋がります。低消費電力化した半導体レーザーを用いることで、バッテリーを小型化、軽量化することができ、装着感が向上します。 ARグラスイメージ


京セラは、このたび、開発に成功した微小光源用のプラットフォーム技術(基板とプロセス技術)を幅広く提供し、近い将来、高品質で低コストな微小光源を市場投入することで、次世代の「ディスプレイ」「レーザー」市場を変革させてまいります。


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プレスリリース提供元:@Press
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