きっと自民党本部から批判されて、「そういうことは党内でやってくれ。党外の一般国民に対して自民党の批判を広めていくのなら、党を脱退しろ」と言われるだろう。
任志強氏の場合も、中国共産党を脱退すればいいだろうと思うが、脱退せずに反政府反党言動を続けたのは、なぜなのだろうか?
中国には特殊な事情がある。一党支配体制にあること以外に、党の特殊な事情があるのだ。
江沢民は、総書記を辞任しなければならない時期に来た2002年、「三つの代表」を党規約の中に入れさせて、企業経営者(資本家)でも党員になっていいという規則を制定した。改革開放により人民は誰でも金儲けをしていいことになったので、中国経済の中枢を担う企業経営者を中国共産党側に引きつけなければ一党支配体制は危なくなると考え たわけだ。
そのときから「金と権力」の癒着が激化し、こんにちの腐敗天国を生むに至っているのだが、それを逆利用しようとしている資本家たちが中国にはいる。
その一派を「資本翻天派」と称する。
これはどういう意味かというと、企業経営者として大量の資本を集めたのちに、その資本を用いて政権に影響を与え、欧米型の「憲政の道」を歩ませようと世論を導いていく一派のことだ。「翻天」は文字通り「天を翻(ひるがえ)す」=「政権をひっくり返す」という意味である。