コラム

次の最高指導者によってイラン戦争の行方は変わる...イランが進むのは穏健路線か、強硬路線か

2026年03月04日(水)17時10分

ハメネイ師の次男モジタバ・ハメネイ氏が有力後継候補

米紙ニューヨーク・タイムズ(3月3日付)によると、殺害された最高指導者アリ・ハメネイ師の次男モジタバ・ハメネイ氏(56)が有力後継候補として急浮上する。最高指導者選定を担う会議が審議を行っており、間もなく発表される可能性があるという。

モジタバ氏は軍や治安機関に深く関与しており、イスラム革命防衛隊が強く推しているとされる。モジタバ氏が選出されればイランの体制はより強硬な路線へシフトする可能性があり、トランプ氏の想定する最悪のシナリオになりかねない。


他の候補者にはハメネイ師殺害後に設立された3人からなる指導者評議会の一員で聖職者兼法学者のアリレザ・アラフィ氏とイスラム革命の創始者であるアヤトラ・ルーホッラー・ホメイニ師の孫セイエド・ハッサン・ホメイニ氏がいる。2人はモジタバ氏に比べ穏健派とされる。

仮想通貨や不動産、金、ダイヤモンドの資産を保有

イランの体制は世襲の君主制を批判してきたため、モジタバ氏の選出は国内の反発を招く恐れがある。米国やイスラエルの攻撃対象になるリスクも大きい。英大衆紙デーリー・メール(3月4日付)によると、モジタバ氏は過去に英国で不妊治療(勃起不全)を受けていたという。

機密情報公開サイト「ウィキリークス」が公開した米国務省文書によると、モジタバ氏は跡継ぎを作るよう親族から強い圧力を受け、04年以降、ロンドンの私立病院で計4回の不妊治療を受けた。2カ月の滞在を経て妻が妊娠し、父の名にあやかる長男アリが誕生した。

モジタバ氏はイラン・イラク戦争に従軍し、核兵器開発を支持する強硬派の聖職者に師事。09年の大統領選不正疑惑や抗議デモの弾圧を主導したとされる。父ハメネイ師の影で仮想通貨や不動産、金、ダイヤモンドなどで数十億ドル規模の資産を築いたと言われる。

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プロフィール

木村正人

在ロンドン国際ジャーナリスト
元産経新聞ロンドン支局長。憲法改正(元慶応大学法科大学院非常勤講師)や国際政治、安全保障、欧州経済に詳しい。産経新聞大阪社会部・神戸支局で16年間、事件記者をした後、政治部・外信部のデスクも経験。2002~03年、米コロンビア大学東アジア研究所客員研究員。著書に『欧州 絶望の現場を歩く―広がるBrexitの衝撃』(ウェッジ)、『EU崩壊』『見えない世界戦争「サイバー戦」最新報告』(いずれも新潮新書)。
masakimu50@gmail.com
twitter.com/masakimu41

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